堀江インタビュー@GIGAZINE
◆新聞やテレビが絶対に書かない「ホリエモン」こと「堀江貴文」の真実~ロングインタビュー前編~ - GIGAZINE(人生を語る編)
◆新聞やテレビが絶対に書かない「ホリエモン」こと「堀江貴文」の真実~ロングインタビュー後編~ - GIGAZINE(コンテンツビジネスとか普段の情報行動とか編)
後編、特になしてフジ買収に動いたか、というあたりが面白いデス。
要するに、コンテンツ生産企業としてテレビ局を捉えた上で、ネットに適した部分(低画質でもよくて双方向つけた方が面白くなるバラエティ番組)&テレビには過剰な部分(無駄バナ多すぎニュース番組)をネットに出して、テレビはテレビで放送するのに向いていて、かつ世界相手で二次利用で売れるところに集中すべき!(金かけたドラマとか、ドキュメンタリーとか、世界遺産系とか)という考えぽ。
ミッキーといい、堀江といい、2005年前後当時は通信と放送の融合...とかよくわかんないところで論調がうにょうにょしてて、ぶっちゃけ、テレビ買うつうてもそれで何をするつもりなのかよくわからんというか、だぶついた金の行き先に困ってるんじゃないか感が強かったんですが、これは明快。
TV広告費が半端なく縮むのが確定的に明らかな今となっては、そういう切り分けを徹底したところが生き延びて、やらなかったところは沈んでいくしか感がアレですが...
それにしても、買収に動く時期がいくらなんでも早すぎたというか、タイミングが悪すぎた感がひしひし。あの時点でテレビ局は、ネットが伸びてきてるのはわかってるけど、役割は違うわけだし自分らはこのままでもいけると踏んでたんでしょうし。堀江が↓で言うような組みなおしするには、外からがっつり大ナタやんないとダメなわけだけれど、もう敵対的買収への備えとかはガチガチやっちゃったわけで、はてさて。テレビ局の経営がほんとにどん詰まったら、そりゃ人も逃げるだろうしコンテンツ制作力もぼろぼろになっちゃうだろうしのー。
そいやずーっと睨み合い状態で、時間が経てば経つほど損かぶってそうなミッキーはどうするつもりなのかちら...
■広告主が離れていくテレビの未来、そしてネットビジネスで儲けるには?
G:次の質問なんですけれども、要するにさっき、広告はどんどんテレビからなくなっていくだろうっていう予想があったんですけれども、堀江さんが考える今後の広告の未来像みたいなのは……さっき言ったのがほとんどだと思うのですけど、今後はどのようになると考えていますか?
H:未来像ねー。やっぱり「ロングテール」を上手く使う、って話になるんじゃないですか。すごいですよね、中国の会社とか。あと、スパムブログ作りまくっているのも完全にロングテールですよね。一日10クリックとか、そんなのをいっぱい集めているわけですよ。でもそれはすごいですよね。
G:ロングテールの話でいくと、世界中で見たら中国とか日本は例外なのですけど、大体GoogleがYahoo!に勝ってるじゃないですか。それでも日本はGoogleがまだYahoo!に勝てていないじゃないですか。ライブドアっていうポータルサイトを作った堀江さんから見ると、それはなぜだと思いますか?
H:でも相当浸食してきてると思いますけどね。広告ではけっこう肉迫してるんじゃないですか?Yahoo!はヤフオクが大きいですね。
G:世界最大手のネットオークションサイトである「eBay」を追い出しちゃいましたからね。
H:Yahoo!の利益の大半はヤフオクじゃないですか?だって、日本のネットビジネスで儲かってるのって、オークションが代表的なもので、ネットオークションと言えばヤフオクでしょ?
G:もうほとんど占めちゃってますから。
H:あとオークション以外で儲かっているネットビジネスと言えば、無料ゲーム、モバイルゲーム。モバゲー、GREE、mixi、楽天、Amazon。それから、FXみたいなのもありますね。僕はけっこうGoogleの戦略は上手く行ってると思うし、広告では結構肉迫してきてるような気がしますけどね。
G:このまま行ったら、いつかGoogleが勝つだろう、っていう予測ですかね?
H:でもYahoo!ニュースはやっぱり相当見られてますからね。あれはYahoo!の勝ちです。GoogleのGoogleニュース、あれは失敗ですね。Googleニュースは意味がない。各社のニュースを比較しても見る意味がない、と思いません?あれは彼らのなかではあまり上手く行ってないビジネスだと僕は思いますけどね。新聞業界からも反発くらうし、あんまりいいことはないですね。いいアイディアだと思ったんだろうけど、あれは上手くいかなかった、と。さっきの話と続くんですけど、テレビでニュースやる意味ないと思うのですよ。
G:と言うと?
H:別にネットで見ればいいんじゃないですか?
G:まあ、それはありますね。
H:携帯とかネットで。携帯なんかテロップでバーって出てくるんだから、それこそテレビで見る意味って何があんの?って、思いません?さらにそれを各ニュース番組のキャスターみたいなのが、解説なり自分の意見を言っているわけですけど、そんなの各キャスターのブログを作ってそこでやれよ、と思います。たぶん誰も見ないと思うけど(苦笑)
G:確かに。テレビのニュース番組などで出てくるコメンテーターなどの存在意義がよくわからない場合がありますね。専門家でもないのに自分の意見を言うという、時間つぶしみたいなものが。
H:テレビ業界はそういう意味で視聴者を全部ネットに送り込んで、ストレートニュースとかは、全部ネットでやる、と。あとバラエティとかクイズ番組も全部ネットでやれ、と。だって小島よしおが流行ったのも、YouTubeで流行ったようなもんですからね。YouTubeで繰り返しバイラルでつながったのが、小島よしおなんですよ。おそらく僕の分析からすると。だって最初、その、めちゃいけかなんかに出てたのかな、それを僕は初めて YouTubeで見たのですけど、YouTubeが削除をあのころはそんなに一所懸命やってなかったから、それで広まったと僕は思いますよ。まわりの人間はみんなYouTubeで見てましたから。
G:なるほど。
H:そこから火がついた、と思いますよ。実際は。まあそれは置いといて、とにかくそういったバラエティとかそういう類のものは、別に画質も必要ないし、双方向で楽しんだ方が実は面白い。たとえばニコニコ動画みたいなのをやった方がいいんですよね。お笑い番組とか、ああいうのもその方がむしろ面白いですよ。ネットでやれるもんは全部ネットにぶち込んで、テレビは良質なドキュメンタリー、例えばNHKスペシャルみたいなやつとかドラマとかをやればいい。
G:要するにじっくり見る物って感じですか。
H:そうです。あと、予算を集中させて「ハイビジョンできれいな映像で見る」というところにお金をつっこむべきだと僕は思いますけどね。世界遺産とか、ドキュメンタリー番組とか、そういう良質なものを。
G:良質な画像で見た方がいいものを、ということですか?
H:そうそうそう。ドラマとかも大河ドラマ並みに金使えよっていう感じですよ、ほんと。だって金つかったら絶対リターンが得られるのですから。テレビでいくらでも宣伝できるわけじゃないですか。良質ならDVDだって売れるし、二次的・三次的な収入もそうなれば入ってきますから。良質であれば海外へも売ることができるようになるはずです。
G:良いコンテンツ作らないと売れないですからね。で、良いコンテンツを作るにはある程度の金をつっこむ必要はあるだろう、と。
H:そうそう。いまや世界中で売れるから、そういうコンテンツっていうのは。あと、世界共通じゃないですか、面白いものっていうのは。
G:ええ。
H:ああ、あとテレビですべきものはスポーツの生中継ですね。サッカーとか野球とかの生中継もやるべきだと思いますよ。だからそういうものだけに地上波デジタルは特化すべきだ、と。で、それら以外のものは全部ネットに持ってこい、という風に思ってたんですよ。