仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

アホの子恐竜映画シリーズ「紀元前一億年」

エメリッヒのスペクタクル映画「紀元前一万年」と間違えさせる気満々のタイトルからしてヤバげな匂いぷんぷん…と思いつつ、なんかしらんがいっちゃいました。製作年度は2008年ぽいんですが…
色んな意味で、『ジュラシック・パーク』の5年前くらいに作ったのを今頃蔵出ししたんじゃないかという勢いのすばらしい映画でした…つーかこれ、昭和製作じゃねーの...?

紀元前1億年 [DVD]

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お話は考古学者が南米で謎の洞窟見つけるとこから。ティラノとおぼしき恐竜の洞窟絵が書いてあるんだけど…7000万年前ちゃー人類なんぞおりゃあせんのに…なんじゃこりゃ!
ところ変わって米海軍の特殊部隊SEALsの皆さんが呼ばれるとっから。
なんかしらんけど、大将相当のちょー天才博士(じーさん。12歳で博士号とって、戦前に入隊)ちゅう人が出て来て、いきなり話しはじめるのが通称フィラデルフィア計画(参考:フィラデルフィア計画 - Wikipedia)。電磁波使ったステルス実験してたらなんだか軍艦がタイムスリップしちゃったの!それで研究進めてたらなんか出来ちゃって、タイムパラドックス怖いから影響少なさそーな紀元前7000万年前に座標設定して21人の男女(自分の兄を含む)を1947年に送りこんだんだけど…装置が壊れたかなんかして帰って来れなくなっちゃったの!でも洞窟にかかれてたメッセージから生きてるってわかったの!60年経っちゃったけどお迎えに行くの!という話に…
「ちょwwwおまwww」と困惑するSEALsの皆さん。でも博士はとにかく司令官がマジ顔……。マジっすかコレ?と言ってるうちに、現地に関するブリーフィングもなにもなく、地下にえらい馬鹿でかいほにゃららを発生させる装置があるという設定になってるヘンなマスィーンのとこに行くわけですが…………あれ?えらい発泡スチロールに薄い板貼ってペンキで塗りました感なくねっていうか、板とナカミの隙間がえらい目立つな〜...と思ってるうちに、ウルトラマンとかあのへん風味の不思議な光がジャキジャキ出て来て、飛び込む羽目になるみなさん。で、いまいちロケ地がどこだかよくわからん山(南米ぽい気はするとツレは言ってました)をうろちょろしてると出たー!きょーりゅー!

…………いやちょっと待て。
年末に見た、アホの子恐竜映画『プテロドン 零式戦闘機vs翼竜軍団』『ジュラシック・レイク』(こちら参照)でも恐竜CGのしょっぱさに泣いたんですが、あっちはシェーダーしょっぱいとか動かし方しょっぱいとかテクスチャしょっぱいとかポリゴン的にシワの設定ねえだろとかそういう方向であって、のっぺりしてるとはいえ「3Dモデル」を動かしてる感はあったんですよ。今にして思えば。ボーンはあっても筋肉の設定なかったかもですが。
こっちのは……なにこれ……? えっらい平べったいっていうか…むしろ3D絵風に描いたCGアニメじゃねえかというか…なんつーか山の風景に恐竜の絵が描かれた透明の板があるぽいっていうか...
光源設定を大幅にしくじってるっていうか、ひょっとしたら光源入れてないのかもしれない勢いなのは確定的に明らかなんですが、とにかくなんていうか、「向こう側」がある感じが全然まったくさっぱりしないんですわ〜...なんじゃこりゃ。
さらにクチの中開けたシーン。歯の数がえらい少なくね?とか、舌って、いろんな筋肉とかで支えられてる物体だと思うんだけど...お口の中にピンクのなめくじがほにょんといるの...。こういうシーンって、不精せずにアニマトロニクスやんなきゃダメだよね〜...
ちょとそのへん詳しい方にどういうことをしたらこういう違いが出てくるのか解説していただけるとうれしいんですけれど、とにかくこの映画。恐竜の種類だけは首長巨大草食竜・ティラノ・ラプトル・ワニだかなんだかよくわからん水棲系・翼竜系とメジャーどころはそれなりに出てくるんですが(て、トリケラとステゴはいなかったけど)...とにかく一度に一匹しか出てこない。ラプトルは「一匹じゃない...!」とか言われるんですが、それでも一度に一匹厳守。『プテロドン』も『ジュラシック・レイク』も複数匹登場する場面はそれなりにあったのに...なんで?
しかも、恐竜が画面にあんまりいない。細部まで見る前にサッと消えちゃう...消え方がいくらなんでも動きが速すぎてすごい不自然! いや、細部まで見せられるクオリティじゃないのは一瞬でも十分わかるんですが、恥ずかしがり屋にしてもほどがあるだろう恐竜たん。特にティラノ。
で、まあなんとか目標の1947年に飛んだ組(彼ら的には6年経過)と合流しまして現代に戻り、皆様お察しのとおりの展開になりまして、なぜか1947年組が大活躍して大団円、なのですが...いやもう、突っ込みどころが多すぎてなにからご説明したらいいのか...うわーん。
とりあえず山の中に明らかに人工的な謎の植物とか置いちゃらめえ!とか、いくら皮が厚いったってダメージまったく与えられない銃しかもってかないSEALsって...実は全弾外してたの?どんだけへたれなの?ていうか少なくとも『ジュラシック・パーク』見てから装備考えて行こうよ!(ちなみに「ワームホール」云々て博士の説明はみんなそれで納得してたぽいんで、スタートレックは見てたっぽい)とか、機関銃でダメージ与えられない相手を手製の弓矢で打ち落とすなよ!とか、戦闘機とかヘリの動きが昭和を彷彿とさせるというか、明らかにワイヤーくさくてどうしていいのかわからないとか、1947年組で、戦闘訓練受けてるわけでもない娘2人がしっかり生き残ってるのは大人の事情として(ヒグマは女の方が好きらしいけど、恐竜は男の肉の方が好みかもしんないし...参考:三毛別羆事件 - Wikipedia)、キャミ+半ケツローライズショーパンなのも大人の事情ですよねーとか、1947年組は酸素半分のところで6年も生き延びてたからマラソン選手並みに心肺機能が強化されてるって説明があるとはいえ、車より速いティラノちゃんよりも走るの速いことにするために、明らかに手加減してあげてるティラノちゃんとか、予算を読んで倉庫街みたいなとこばっかり走ってくれるティラノちゃんとか、海軍の秘密基地だったはずなんだけど、海軍のヒトが全然いないっていうか、ここっていったいナニ?とか...アッー!です。アッー! ああそうだ、この作品では恐竜は変温動物説を採用してるようでした。
恐竜でフィラデルフィア計画でタイムワープで兄弟愛とか、料理のしようによっては少なくとも北米では受ける映画になったかもですが...中途半端に多い登場人物を捌ききれず、誰が誰だか名前もわからんところで中途半端に小芝居させたりするもんだから、話の焦点がgdgd...とか、タイムワープ物としてみたらコレ...どうなのよ!?博士鬼畜すぎくない?とか、脚本の段階からしてアレなんですが、お金がなかったからこの脚本になっちゃったのか、この脚本だからお金集まらなくてこうなったのか、それにしてもどうしてこの脚本にお金を出す気になったヒトがいたんだろうとか大人の事情も不思議...

ササッと画面を横切るティラノちゃんとか、ぴよーんと飛び上がるティラノちゃんとか笑いどころは満載ですので、そういうのがお好きな方には結構オススメ... あと、CGの勉強されてる方とか、反面教師としていいかもですね。
これ、ニコ動で見たいわー。たぶん突っ込み弾幕で絵が見えなくなると思う....