仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

セカンド・ライフ現況。とりあえず80万突破。

MMORPGではないというか、うーん...3DベースでMODツール内蔵の大規模ハビタットと言った方がいいのか、タグに悩みますがとりあえずセカンド・ライフ、80万突破だそうです。2、3年前のMMOびっくたいとる級の規模になったつーことでいいんですかね。なにしろ中国市場中心に化け物タイトルはほんとに化け物だから、プレイヤー数で規模比較ってもうムリヨ...

4Gamer.net [THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006]開発者が語る「Second Life」の魅力,現状,そして未来
で、まあ、なにやらプロ向けカンファレンスで講演あったらすい。

スタートして一年ほどは伸び悩む時期が続いた同作だが,2006年に入ってから急激にプレイヤー数が増加。2006年初頭には10万人前後だった累計アカウント数が,7月には30万人になり,そしていまや80万人に届こうかという勢い。基幹コンセプトとしてゲーム性よりも徹底したコミュニティ性,クリエイティブ性を重視していた本作は,いまや「参加者という最も重要なコンテンツ」を十分に抱え,まさに「人が人を呼ぶ」という成功するオンラインサービスへと変貌しつつあるのだ。

氏はSecond Lifeの特徴として「ワールド内にある99%のオブジェクトは,ユーザーが作り出したものであり,そこが既存のゲームとは決定的に異なる部分」だと説明。サービス当初は16台のサーバーで始めた同プロジェクトが,いまや3500台のサーバーで運営されており,コンテンツデータの総容量は30TBにまで膨れあがっているのだと解説する。これは,驚くべき成長スピードだ。
 続いて氏は,これだけのコンテンツ(30TB分)を企業ベースで用意するには,約7700人分の労力……金額に換算すると約8億ドル(約942億円)相当のコストが必要になるとして,ユーザーの創造性の重要さやそのパワーについて言及。「Second Lifeでは,ユーザーの想像性,革新性を喚起することがすべて」だとして,それをサポートするため,あるいは最大化するために必要な要素とは何か? と話を続ける。Ondrejka氏が言うには,同作の経済システムを作成するにあたって,「作った物の所有権をいかにしてユーザーに与えるか」といった部分は,相当腐心した箇所であるそうだ。
 またThe SimsWikipedia,そしてFPSのMODなどなど,既存のサービス/現象(ユーザー参加型コンテンツの)と比較しながら,「Second Lifeは,これらのサービスと比較して,圧倒的にクリエイティブ活動に参加する割合が高い」と解説。「The Simsのようなゲームでも,クリエイティビティを発揮するユーザーは全体の1%前後。WikipediaFPSのMDOに至っては,0.1〜0.2%ほどでしかない」と説明しながら,「しかしSecond Lifeは,約66%のユーザーが何かしらのオブジェクトをゼロから作った経験がある」と,Second Lifeがいかに既存のゲームやサービスと異なっているかを強調していた。

もちろんデザインの質やら作り込みやらは問題出る部分もあるかもですが、CGM強い。
そして、2/3のユーザーがオブジェクトを作った経験があるというのはかなり凄まじい。
Wikipediaの数字はどーなんだろう...アカウント登録ユーザー数じゃなくて閲覧ユーザー数じゃないとこの数字にはならないんじゃね?という気もしますが(そしてアカウント登録ユーザー数でないとぐぐったら引っかかってやってきた。を母数に入れるのは問題ありだと思いますが)、コンテンツ生産で非常に敷居の低いテキスト中心掲示板やらフォーラムやらでもざっくりいって1割以下、くらいなのがネットの相場だと思うので、そのあたり驚異的な高さだと思います。翻訳した表現が「作った経験がある」であって、「完成させている」という表現ではないあたり、元の表現気になりますが。

もちろん「ネット上でデータ作って売り買いできる」ていうのがSLのウリなわけだし、そーいうことしたいヒトが当然参入してくるのは流れなんですが、なにしろブツが3Dモデリングだし(たしか)、実際手を出す人はもーっともーっと低いかと思ってたですよ。
3Dモデリングはコンテンツ生産の中でも壮絶に敷居が高い分野ですし、UIなども含めてうまく誘導できるように設計されているのかなぁ。

ネトゲ研究日誌:約6割が製作者 - livedoor Blog(ブログ)
後藤さん的には見てるだけが4割もいるのか、て感じのようですが。
日本でやったら、9割以上のヒトが課金して家を建てて、他の人が作ったのをまったり集めながらワタシのおうち(はぁと)ごっこツールとして使うような気がする。日本語版クライアントが年末に出るとのことですが、リソース限られまくりの環境なのに異様なまでにレベルが高かったUO内装系日本人プレイヤーの参入が待たれるところです。

=06/10/2追記=
4Gamer.net 「Second Life」の開発者Cory Ondrejka氏インタビュー,日本展開はどうなる?
個別インタビュー。
ポイントいくつか拾ってみると、

「インスピレーションを受けたのは,ニール・スティーブンスンの「Snow Crash」という本と,ヴァーナー・ヴィンジの「True Names」の2冊です。」

またスノー・クラッシュか! 仕方ない、読むか...で、インタビューアーのコメントで「面白いのは,片や,サイバーパンクの後継ともいうべきSFであり,片やサイバーパンクの先駆けともいうべきSF作品であることだ。真ん中はごっそり抜けている。」と。なんでだろ。謎。
で、対象ユーザー。というか現況でのユーザー層。

男女比はほぼ半々で,そういったところがゲームとは違ったところでしょう。年齢層は13歳から80代まで非常に広い範囲に及びます。どのようなユーザーをターゲットにしているかというと,これはもうすべての人というほかありません。
 いわゆる「ゲームプレイヤー」ではなくて,一般の人にもやっていただけるようにするには,柔軟性を持ったプラットフォームを作成する必要があります。

コンテンツ生産活動について。

確かにSIMSなどは,コンテンツを作る人は非常に少ないようです。先ほど述べたように,Second Lifeの場合,ユーザーは老若男女を問わず非常に幅広い層にわたっていますが,これらすべてのうち66%の人がなんらかのコンテンツを作っています。これは誰かが作ったものをカスタマイズしているというのではなく,最初からスクラッチで作っている人の割合が66%です。なんらかのカスタマイズを行うというレベルの人まで入れると,ほぼ100%近くの人がコンテンツを作っているといえます。
 これはなぜかというと,なにか作ろうとして分からないことがあると,ほかの人の助けを借りられるようなスペースができあがっているからです。ほかのゲームでは,作成中に誰の助けも借りられませんので,コンテンツ制作の敷居が高くなってしまっています。

で、CGMやる場合に問題になる著作権。
これは、

基本的にはWebでのファンサイトなどと同じです。著作権者とユーザーの当事者間の問題となります。Lindenは要請があれば該当ユーザーに取り次ぎます。著作権的に問題が発生した場合は,アメリカの著作権法で対応することになっていますので,DMCAデジタルミレニアム著作権法)が適用されることになると思います。

 DMCAでは,著作権的な問題が発生した場合,プロバイダなどが該当ファイルを削除すれば,プロバイダ自体の責任は追及されない。現在のYou Tubeなどの状況を思い浮かべればよいだろう。

の、『所謂web2.0企業は「一般企業が性悪説に則って想定しうるリスクを回避するために支払うコスト」を取り除くことによって成り立っている』つー喝破を思い出しましたが。
しかし、アメリカのこのルールはパク側&運営側に結構優しい感じですけれど*1、ネズミーとかどうするんだろうなぁ。もし著作権侵害コンテンツがうpされないように事前にフィルターかけなきゃいけない義務とかつけちゃうとCGMなんて成り立ち得ないちゃー成り立ち得ないんで、現実解といえば現実解ですが。
ナルミヤのお星様になってしまったキャラクター「マウス君」をオマージュしたつもりが、村上隆「DOB君」のパクりと指摘され、いやそれは違うんだとあわあわしてたらネズミーに億単位の訴訟起こされたりしたらいやんw いえ、指摘された時点でデータ削除すればたぶんそこで投了なんだとは思いますが。
このあたり、各国で展開していくにつれてどーなるんだろう。本家SLがそのDMCA準拠で著作権トラブル捌きますよと規約に明記していても、それって他国での法的ほにゃららに優先すんのかなあ。ここかなり混乱しちゃってるので、お詳しい方の補完超希望。

で、ユーザー数急伸の理由。登録簡略化が効いたらしい。

今年に入って,登録時にクレジットカード情報などを入れなくてもゲームができるようになりました(土地や物品の購入をしなければ無料で遊べる)。

あと、SL内での金の回り方。

全体で月に200万ドルのユーザー間の売り上げがあります。売り上げのある人は全体で1万人くらいです。こういったものではありがちですが,実は非常に儲かっている人というのはほんの少数です。多い人で年間数千ドルといったところで,あとは数ドル以下といった人が大半となっています。

えーと、ウェブアフィリエイトとなんかあんまり変わらない感じ?
これがユーザー数、数百万いったら、同人並みにトップは「先行きはとにかくこれでとりあえず喰っていける」レベルまでいけるのかなぁ...

日本展開については、とりあえず日本語クライアント用意、鯖はアメリカと同じということで、定型語翻訳システムとかないと結局UOとかのように日本鯖立てるしかなくなりそげな気もしないでもないですが...それとも「日本人エリア」みたいなどっかに集まる感じになって緩く棲み分けするのかしら。

=06/10/06=
H-Yamaguchi.net: 「Second Life」のパネルディスカッション
山口先生の方でスライドやら講演の様子やら公開されてマス。

*1:よく考えたら、権利元にも良いのかも。同人規制緩くつけてそこでファン層掘り下げるタイプのところもあるし、こまめにファンサイト巡回してガツガツ禁止してるところもあるらすいし。一律で国に決められちゃうより良い...のかなあ?