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仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

エカテリーナ2世の四大ディナーセット展@庭園美術館

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単に庭園美術館に行きたかったんで行ってみたんですが、展示すげえのと解説が非常に面白かったです。
あと、美術館での陶器の展示って普通ガラスケース越しなんですが、テーブルに並べてある展示が多くてこれもまた興味深かったです。
ガラスケースだと、単品単品でじわじわ観察するしかですが、テーブルの上に並べてあると、ボリューム感が違うですね。ゴージャス!

エカテリーナ2世は、
・ドイツのさほどでもない家柄からロシア皇太子になぜか輿入れ→超努力してロシアのアイドルに
・旦那がロシアの国益を損なうレベルでドイツというかヨーロッパかぶれだったので軍の支持を得てクーデター→そもそもロシア人でもなく、王家の血を引いてるわけでもないけど女帝に即位
・啓蒙君主として頑張る。もうロシアはただの田舎じゃないの!
・対トルコ戦とかも頑張る
フランス革命起きるときょどって反動化(晩年)
みたいな人らすいんですが、なんでディナーセットとかわざわざコレクションとして現在まで伝えられているかといいますと、
・磁器は当時超貴重品。My国立窯をキープできるのは富と技術を持ってる選ばれた国だけ! そもそも維持するのが大変なので、よその国に超豪華シリーズ発注するんでもちょとポイント高い。
・大晩餐会とかでセンスのいい豪華食器を出せると富と文化レベルをアッピル
ちゅわけで、コンセプト組んで作らせた揃いの食器(「セルヴィス」と呼ばれるらしい。アイスクリーム用食器とか、リキュール冷やす器とかも全部作るんで、総点数900点とか余裕)を持つのがステイタスだったそーです。
そういう政治&外交絡みで作るもんでもあったので、普通の食器だけでなくて、ロシア各民族の人形とかトルコ兵とかも磁器で作ってあって、食卓に飾りとして置かれていた模様。
「せっかくロシアまで行ったのに、晩餐会でしょぼいセルヴィスしか出してもらえなくて涙目」とか、「ベルリン出てきたから、一応オレらのこと尊重するつーことかいの」とかそういう言外のアヤを伝える手段でもあったのかしら…
というわけで、エカテリーナ2世級になると色んなセルヴィス持ってたらしいんですが、とりあえず代表的なもんということで4つ展示

1)ベルリン・デザート・セルヴィス
ベルリン王立磁器製作所製。ドイツのフリードリヒ2世からプレゼント。
「対トルコ戦で勝ったロシアの軍備が気になるよ…!でもエカテリーナはドイツっ子だもんね!うちに悪い子したりしないもんね!おおおおめでとう!」みたいなびみょーな外交配慮で。
そんなわけで、お皿とかに「トルコ兵vs.ロシア兵の一騎打ち」とか「ロシア兵のQK」とか、まあそんなにグロいことは描いてないんですけど…褒めどころに困る微妙な絵が色々描いてあったり。勇壮な戦い皿ならとにかく、QK中の絵とかサ〜…どういうセンスなのかよくわかりません……
あと真っ白の女帝像+トルコ兵+ロシアの色んな民族とか職業を表したカラフルな人形像とかもあります。女帝割ったら死ねる…

2)カメオ・セルヴィス
フランスのセーブル発注。自分の趣味に完全に走った愛人用。あと対フランス文化戦略もコミ。
青の発色が凄くいいのと、青×金×カメオ風装飾(フタの上とか目立つとこだけカメオ、側面はカメオ風の絵だったりだけど)が本気ロココでこってこてです。ゴージャス!華やか!
ロココ美人ゴージャスおばさま(ソフトフォーカス気味)風なエカテリーナ2世の肖像画が入ってすぐくらいのところに一点あるんですが、確かにこーいう人が好きそうな…感がひしひし。
ほかと違ってこれだけあえて軟質磁器で作ってあるということで、特に人物像の表現(なめらか曲線とか細部の細かさ)が際立って優れていました。
柄も華やかというかゴージャスなんですが……一つ、花柄だったかなんだったか、お皿にアリンコ描いてあるのに気がついてお口ポカーン…ヨーロッパの人らって、妙に無駄にリアルな昆虫とか作ったり描いたりしたがるのはなぜなんだぜ?な思いを再び。
この展覧会のポスターとかはカメオ・セルヴィス中心です。一番華やかですし、磁器とかよーしらんですが、HQ感がずば抜けて高い。
けど、軟質磁器をセーブルからロシアまで数百点もどうやって運んだのか想像つかない…当時はクロネコねえしなあ……箱開けてみたら歩留まりどんくらいだったんだろ。

3)グリーンフロッグ・セルヴィス
ウェッジウッド発注。
当時の最先端技術で絵付けされたもんだそーですが、ほとんどワントーンな色合いもあってわりと地味。
柄はイギリスの風景とか。とにかく地味…なんかネタとか結構仕込んであるぽかったですが…

4)聖ゲオルギー・セルヴィス
軍人慰撫用。地元窯でロシア4大勲章にちなんだセルヴィスを組んだもののうちの一つ。
「オレ、エカテリーナ様の晩餐会に呼ばれたんだ! 食器もすごかったんだぜ!」と孫子の代まで語り継げる勢いです。ま、まあカメオと比べちゃいかんけどね…
勲章のリボンの色とかから引用したのかな? 黒×オレンジの配色がかわいい。
あと、ロシア内の各少数民族の像がバリエーション豊かで面白い。それぞれ肌の色とか顔立ちとかそれっぽく作ってある感じ。なにこの「想像の共同体」食器版……

そんなこんなで色んな意味で興味深い展覧会でした。
7月までやってるらしいんで、磁器とか歴史gdgdがお好きな東京近辺の方にはお勧めデス。
庭園美術館は建物&内装が素晴らしいので、そっちをガン見するのもお忘れなく!