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9.11に『スタートレック イン・トゥ・ザ・ダークネス』を見た(ネタバレ注意)

公式サイト

 

別に狙って行ったわけじゃなく、レディースデーで、来週になったら上映してるかどうかおぼつかなかったから、というだけですが。

キャストよし、脚本よし、見せ場&テーマわかりやすくて明朗会計、という感じでした。

前回のエイブラムス版映画の方がamazingではあった気もせんこともないですが、ベネディクト・カンバーチッチが良かったし、よかよかという感じです。顔立ちのせいか、DS9のカーデシア仁の仕立屋さん兼色々やってるエリム・ガラック思い出した。というかDS9は映画化とかやらんのですかね……

いまいち熱が薄いのは、『パシフィック・リム』が圧倒的だったせいも若干ある気がしますが、それはエイブラムスのせいじゃないし…

 

ただ、日本版のコピーは、「人類最大の弱点は愛だ」ということで、愛から生まれる愛着、その対象を失った時の復讐心をどうマネジメントするかという話じゃあるんですが、なんか、日本版のポスターがそもそもそうですけど、9.11想起させるような表現がちらちらと目立ったり。(あと、『パシフィック・リム』もそうでしたが、放射能ネタが…)

そういうのを踏まえた上で「復讐心とかに溺れちゃだめ!絶対><」という方向で、それはオリジナルのエッセンス踏襲しているという意味で正しい作り方なんだけど、ロッテンベリーのクレイジーさまで突き抜けられているかというと、どうなんだろう…

もう、12年経ってますからね。力強い批評として成り立っているかどうかというと、正直よくわからんとしか…

なんかエイブラムスって『スーパー8』のクライマックスのすっぽ抜け方(人間パクーしたりするエイリアンとどう共感するか、というところで、「喪失」を共通項に持ってくるんだけど、パクーが直前&生々しすぎて、いや今のちょっと待てや、ここで共感とかありえへんやろ、という展開だった記憶。そこで、それでもなお「共感」にちゃんと持っていける一捻りがあれば神映画になってたと思うんだけど、神は降りなかった模様)もアレだったんですけど、巧者なんだけれど、なんか足りない。たぶん狂気が足りない、という印象です。

エンタープライズはかっこいいし、無駄に生身なアクションもがっつりあるし、お約束のカークとスポックの漫才も愉しいし、トレキチサービスカットもちゃんとあるし、とよく出来た幕の内弁当じゃあるんですが…ううむ。

 

このへんでもやもやする理由の一つとして、「ダークサイドに落ちちゃった人」達と、カーク&スポックほか「落ちてない人」がそーんなにつながってないこともあるのかなと思います。

スポックが「自分の死は甘受できるけど、親しい人の死はあかん」ということで、ブチギレ大暴れしたりはするんですが、そういうレベルの暴力と、ダークサイド組の暴力ってかなりレベルが違う話ではあり、もちろん論理論理のスポックブチ切れというのはシリーズのファンからすればおろろきではあるんですけど、ダークサイド組の暴力もまた「愛」に基づいている、てのをもちょっと丁寧にやんなきゃあかんのかったんやないかなと。

 

カーク&スポック他諸々が嵌り役すぎるし、またやるんだったら見に行っちゃいはするんですけどね。