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ネットコミュニティにおける「場所」の感覚(ちょこっとメモ)

ちとKIRA cafeの野島本読書会のフォローアップな会で、「居場所」てなんなのぜ?て話になって、「サービスそのもの?特定の場所?」とか選択肢と挙げられていて、するっと入れた人間には結構びっくりな展開で面白かったです。
まず、
1)「特定のサービスそのもの」
これは違うかなー。
「サービスそのものが好き」「愛着がある」てことはあると思いますが、居場所という感覚には「親密さ」のニュアンスがあるわけで、SLは同時接続者数5万〜8万人前後(2009年頭)、一般的なMMOで1鯖当たり同時接続者数千人。多くの人はサービス終了までアカの他人確定。親密さを感じるには大きすぎるんですな。

2)「サービス内の特定の場所(そのもの)」
3Dアバターから始めると、ビジュアル化された空間にひっぱられて特定の場所(SL内だとSIMとかカフェとか)?てイメージになるのですが、それも違うデス。もちろん、UOのギルドハウスとかMOでもPSOの特定のロビーにたむろとか「特定の場所」に溜まることで「居場所」化する事例はことかかないわけですが、「居場所」は必ず「特定の場所」をもつわけではないし、逆に「特定の場所」が設定されていても、そこにたむろってる人々がいないと帰属感は持ちにくい。
もうちょっとこのへん説明しますと、
・特定の「場所」をもつ必要はない
ビジュアル化されていないサービスでもユーザーが「場所」として感覚を持つケースが前世紀から山ほどあるです。
掲示板とかでも、常連化すると「スレ住人」みたいな言い方しますな。ぐっぐるしてたまたま出てきた掲示板にはそんな感覚もたないけれど、習慣的に特定の掲示板に行って、お互いやりとり重ねて愛着とか出てくると「場所」化していくんでないかと思うです。
・3Dアバターサービスすべてが「特定の場所」にたむろしやすい仕様になってるわけではないけど、そこに「居場所」を見出すことはできる
グループチャット的なものが実装されてれば、居場所は成立するんですね。で、キャラクターは各地に散ってそれぞれやんなきゃいけないことをやってるんだけれど、バラバラで遊んでいながらグループチャットでつながってる状態。もちろん、せっかくキャラクターあるんで、適宜一緒にどっかに遊びにいったりもすることも大事なわけですが。
「場所」はなくてもユーザーが勝手に「場所」の感覚を持っちゃう、さらに「場所」があってもきっちり毎回対面することは必須ではない、ということでご理解いただければいいのかも。

んじゃ、要するに居場所ってなんなのかというと、「ぽこたんインしたお!」。
ぽこたん/FF11用語辞典

おいら「おいすー^^
たるA「あ、ぽこたんインしたお!」
一同「こんばんわ〜^^」
エルA「よーし今日もどっかいくかー^^」
一同 「おー^^」

2ちゃんネトゲ実況板の書き込みで、後になぜか決まり文句になったもんですが、まあ「互いに知り合っている人々の(ある程度)継続的に遊びを共有していくつながり」てことで。
たぶん大事なのが「互いに知り合ってる」てことで、たとえば自分がAさんBさんCさんとお友達だとして、ABCが互いに知らない人で個別連絡とって遊んでるーって状態よりも、ABC自分が互いに知ってて、ログインしたらなんかまあみんなでどっかいくべ!みたいな感じ、「群れ」として成立してる状態の方が「居場所」感を持つ可能性が高くなっていくのかなーと思うです。

というようなことを考えているのですが、特に特定の場所そのものなのかどうなのかって混乱が起きるのが、ユーザーが「本来では『場所』ではないなにかをなんかしらんが『場所』として認識しちゃう」というとこにあるかもです。
たとえばIRC(とかパソ通時代のニフティのCBシミュレーター)へんは、本来アメリカのシチズンバンド無線をネット上でやるというコンセプトで作られたもので(たしか)、「お話するとこ(という表現自体に場所の観念が入っちゃってるけど...)」の名称が「チャンネル」なのに「〜部屋」みたいな感じで、「設計上もUI上も空間とは考えてないのになぜかユーザーが勝手に『場所』化してイメージしてしまう」現象は広く観察できるんですわー。

このへん不思議なもので、同じように継続的なやりとりが実名あるいは顕名で行われるネットコミュニティでもメーリングリストとかは、複数のユーザーが関わるのに「場所」だとイメージする人ってあんまいないと思うんですよね。
メーリングリストの場合はあくまで「一発で共有できる便利なお手紙」ということで、ばらばらに住んでる個々のユーザー間でやりとりが発生しているという状態で、「みんなが一つの『場所』へ行く、そこで出会う」という感覚は出てきにくい。調査したわけではないですし、広く人に聞いたわけでもないんでアレですが。
なんでこういう違いが発生するのか...ちゅうと、うーん...メールがプッシュ型だから.......? コレだけじゃしょっぱすぎるけど、うまい補助線を今は思いつきませんヨ...
そいやスカイプとかはどうなってるんだぜ?とか色々ありますですの...

ちょとこのへん、前世紀に大澤がやってた電話と身体の話とか引っ張り出して考えないといかんですなー。あれってどの本だったっけ....

ちなみに「視覚」をもたない人がどういう空間の感覚を持つかみたいなスレのまとめ見てちょと面白かった。
404 Not Found
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視覚がなくても、もちろん「空間」の感覚は持てるんですが(おそらく聴覚とか総合で)、視覚として与えられていなくても「社会的な関係のあり方やらコミュニケーションの形式」から遡及してほにゃららと「空間」を錯覚させるような機制かなんかしらんけどなんかあるのかもしれませぬ。
ちょとこういう視覚以外の空間感覚みたいな話になってくると、心理学になんの? 全然よーわからんくてどういう言葉でぐっぐるしたらいいのかもポカンですので、そのへんご存知の方が通りすがらないかとお口ぽかん…。