『チャット恋愛学』
- 作者: 室田尚子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2005/07/16
- メディア: 新書
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これまた周回遅れですが。図書館で借りてきたんですが、速攻買う!!!
◆:: naokobühne ::
著者は室田尚子さん。本業はクラシクな方なのですが、チャットジャンキーじゃけん!ということで、この本を書かれた模様。
新書には珍しく、参考文献リストがついてます。
最初のへんで佐世保小学生殺人事件の話が……ネットの面白さに嵌ったからこそ知らんヤツにdisられるとムキー!じゃあるけれど、実際ダークサイドに落ちて行った人らも知ってるんでどどどうしよう…みたいな葛藤があったとのこと(大幅に表現丸めています)。
うにゅ、めも子もあの事件は……非常に懊悩するところではありました。まさか小学生の女の子がなぁ………
ちゅわけで、チャット恋愛大盛りめなチャットというコミュニケーションの分析なわけですが。
・ニフティ(パソ通)時代(p.49-61)
※当時のパソ通は運営ががっつり個人情報握った上でやってたんで、インターネットのような匿名ひゃっほい感は薄かったという記述アリ。トラブル→アカバンとか稀によくあることだった模様。しかもクレカ決済なんで、再入会しんどいし。
リアルタイム会議:フォーラム付属のチャット。正に「会議」。濃いけど目的しっかり管理しっかり。濃いとこ関心共有してないとお友達にはなりにくい…
CBシミュレーター:ニフティ側で設定した60チャンネルでトーク。とにかく人大杉で、ピーク時は100人越えとか。ニフティ内では比較的匿名性が高かったけれど、なにしろ同時に複数の話題が平行とか余裕なので、「薄い」コミュニケーションになりがち…
いわば「駅前広場」。
CR(チャットルーム/98年9月実装):ユーザーがチャンネル名決めてルーム開設できる(全員退室すると自動消滅)。パスワード設定も可。10人前後でまたーりトーク。個人が開設するので、前に話してみておもろかったのがあったらまた入る、みたいな常連化がやりやすく、特定の名前のチャンネルに集まってまたーりする「常連ルーム」が形成される。敷居低い&ゆるいつながりなんだけど、コミュニケーションは濃い。
いわば「談話室」。
#名前からすると、CBシミュレーターってIRCくさいんだけど、仕様はチャットルームの方がまんまだよなぁ…謎い。
#このへん、群れをどう分割したらコミュニティとして形成しやすくなるかみたいな話のすんごい良い例かも。
・インターネット編(Yahoo!チャット/2000年9月〜)
ここで顔文字とかチャットスラングとか記述。複数チャンネルへの参加可。
プライベートメッセージ(PM)の機能と使われ方……基本、挙動不審さを突っ込んで返答が怪しいと恋愛方向判定。……まあ、ヤフーだしな……
『「電車男」は誰なのか—“ネタ化”するコミュニケーション』への言及。これまた未見だけど、自己消費的ネットコミュニケーションについて記述厚いっぽい。あれ?この人もクラシク畑の人っぽい…
◆蛇の道はうねうね
- 作者: 鈴木淳史
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/01
- メディア: 単行本
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第三章「チャットが届けるもの」/「チャット空間とパーソナル空間」
「居場所」:「行きつけの飲み屋」のよーな
#野島本の参考文献リストにこの本はないんでたまたまかぶりぽ。
時間の共有(強い「つながり」の感覚)とリアル空間の非-共有(バラバラにいるわけで)/「チャット空間」の共有、という軸でほにゃらら。
ビデオチャットをみんなでしたら、みんな背後に襖が映ってたというエピソードから空間の問題を考えた、云々。
チャットをする人は、「チャットルーム−多−バーチャル」という空間と、「自室−個−リアル」と2つの空間に同時に存在していることになるのだ。
私はいままでチャットをしながら、自分が二重の空間に存在しているなどということに気を留めたことは一度もなかった。チャットをしている間は「チャット空間」にいるという自覚しかなかったのである。(p.124)
同期型ねとわくこみゅにちーにおける空間のイメージのもにょもにょは、自分的にすげー難関なのでktkrと思っていたら、続く部分で衝撃の展開が!
「リアル」な私:社会的な要求によって生み出された「偽りの自分」
「ヴァーチャル」な私:本来そうありたいと願う「本当の自分」
ヴァーチャル…偽りの/本当の自分……(目が泳ぐ) ここここの本出たの、2005年だよね…と奥付を確認しつつ腰を抜かしてたですが、読み進むにつれて、
1)ヤバイ人:2つの私のギャップが大きく、かつ後者にリアリティを感じちゃってのめりこんでしまう人(かなり翻訳)
2)ふつーの人:2つの私のギャップが少ない人
3)ぱっきり分ける人:2つの私のギャップを認識していて、リアルでの生きづらさも感じている場合も多いけれど、意図的にコントロールできる人
みたいな話に。
そういう「理論」なのかと一瞬思ったら、ユーザー側の表象の話だったぽい。びっくりゃしたー。
そして話は、怒涛の2事例に。
=以下てけとに拝読しつつめもめもにゃの予定=
まあ、全体にねとわく初心者&周りの人がはまって困ったけどどうすりゃいいんだぜ?な人向けかなぁ…チャット文体の特徴の整理とか楽しかったですが。
そういう意味では、できれば、「ふつーにやってる病的なはまり方してない人」の例ももそっと出してほしかった…