06年国内の広告費統計by電通。マスコミ四媒体の広告費は２年連続して前年を下回り。
で、マスコミ視点からの解説と、ICT視点からの解説を２つくりっぷくりっぷ。
■2006年の雑誌広告費は3887億円、前年比98.5％に | 編集会議.com
雑誌広告について。
全体では５兆9954億円と前年比0.6%増となったが、雑誌広告費は3887億円で前年比98.5％に。雑誌に肉薄するインターネット広告費は3630 億円で、前年比129.3％だった。このほか新聞広告費が9986億円（前年比96.2%）、テレビ広告費は２兆161億円（前年比98.8％）となっており、マスコミ四媒体の広告費は２年連続して前年を下回った。
というわけで、前年比軒並みダウンなのですが、雑誌の場合中を見てみると増えてるところもそれなりに。
雑誌広告を業種別に見ると、構成比の高い「ファッション・アクセサリー」「化粧品・トイレタリー」「交通・レジャー」「精密機器・事務用品」などは増加したが、「情報・通信」「流通・小売業」「自動車・関連品」「趣味・スポーツ用品」などは前年割れとなっている。
またジャンル別では、「女性誌」「ミセス誌」「育児誌」「ヤング男性誌」「アダルト男性誌」が増加に。「番組・都市型情報誌」「一般週刊誌」は前年に引き続き減少した。
パソコン誌とか、21世紀入って休刊しまくり流れだったような...ビギナー向けノウハウ特集以外は、ネットの方が速いし必要な情報探しやすいですし。
で、ファッション系ライフスタイル系は男女ともにまだまだ強いと。育児誌って、こういうジャンルが出来たの自体そんな古くはないはずですが（90年代くらいからじゃないっけ？）、少子化しつつこだわり化が激しいので増えてるのかなー。どの媒体だったか忘れましたが、読者さんの入院用準備の紹介で、お産バッグにラグジュアリーブランドがごろごろ出てくる特集を見た記憶もあったり。
■Page Not Found - CNET Japan
総評。初めて拝見しましたが、ICTコンサルな方の模様。
この系の話は、「ネット↑、マスコミ↓」という括りで語られやすいけれど、それってどうなのよという方向。
2005年国民生活時間調査byNHK（PDF）を見ても、「マスメディア離れ」という騒ぎ方はちがくね？という指摘と、
ネットの登場が広告に与えた影響を考えると、最も大きいのは、新たなメディアができたことではなく、メディアの役割や機能の多様化を促し、既存メディアも含めた相対化が進んだことにあるだろう。実際、広告主のマーケティング戦略の再構築の流れの中で、SPも含めたメディア選択や、そもそも広告に割く事業リソースの比重が変化しはじめているという話はあちこちで耳にする。
旧来のマスコミをネットが喰ってるというよりは、ネットという柔軟な媒体によって、ターゲット絞り込み→広告→認知→購買とかブランディングがどーとかの動線設計とかがより緻密になったというのが真のネットのインパクトじゃないかつーことっぽい。
ネット広告も少し「重く」なってきていないか
一方ぐるっと回って、そう考えるとネット広告はむしろその流れに逆行して「重さ」を増しているような気配を感じる。もちろんまだメディア自体が拡大する段階にはあるのだろうが、一方でネット上のメディアはそれこそ雑誌・新聞等よりも広告モデル依存を強めており、闇雲にページビュー獲得競争に走っているようにも見える。消費行動やバリューチェーンにおける位置づけの変化が「ダイエット」を要請しているのに、メディア側の都合でその要請に逆行しているのだとしたら、やはり気持ちが悪い。そういうメディアはユーザから選ばれないだろうし、それこそ相対化が進んでいる以上、そこではマスメディアもネットもない。
大量生産大量消費時代の視聴率命部数命ノリで、素朴にPV命でネットメディアやってたんじゃダメじゃね？という提言。そりゃそうかも。効果測定手法がまだまだなんで、そのへん結局PVちゅうわかりやすい数字に頼っちゃうのはしゃーない部分もあるですが。て、こりゃ旧マスコミも同じか。
■404 Blog Not Found:雑誌は売れないのか売らないのか
アメリカの雑誌販売は好調らすい。
理由は定期購読しちゃうと爆安になるので、プル型ではなくプッシュ型メディアになっちゃってることなどなど。
日本ではそーなってないのは、再販制度やら郵便局のアレなど色々積み重なった大人の事情とかっぽい。
そのあたりの枷は相当崩れているんで、出版社のやる気次第でモデル変えればいいんじゃね？とのこと。
■売れなくなった雑誌が定期購読で立ち直るかなー？ - night and sundial
上記エントリへの異論。
■日本の雑誌は売れない方が儲かる - 【B面】犬にかぶらせろ！
ぺいどぱぶｗモデルでは「部数」はイラネ。
