KoMとアマプラゴジラ祭り
立川極爆で『ゴジラ キングオブモンスターズ』を見てきました。
敵が交尾したすぎてむせび泣くムートーさんから、シリーズのラスボスであるキングギドラさんにパワーアップした分、ギャレゴジよりもパワフルで良かったです。ツッコミどころは数多あると思いますが(モナークの科学者は全員気が狂ってるというか、正気なのはマディソンだけというか。つか、モナークなんであんなに金あるねん…)、しゅごい怪獣のしゅごいバトルを見るためには仕方ないのです。戦艦ミズーリが出航して東郷ターンをキメる9分くらいのために、ブリトーがどうしたこうしたとか、若い頃はやんちゃしたとか、ものすごいバリアー張れるくせに地味に弱い宇宙人とのぐだぐだを131分も人は耐えたりするので(「バトルシップ」)、モスラの神々しさ、ラドンのいかんともしがたいチンピラ感、キングギドラの禍々しさ、ゴジラ先生が段階的に見せつけていく本気等々がてんこもりで見られるKoMは大変良心的な作品だと思います。
1954年版/シン・ゴジラの「人類の敵」であるゴジラの方が好きなのですが、みんな怪獣プロレス大好きだし、そっちに行くなら「人類の敵」路線は厳しいし、色々しょうがないよね…
KoM評については、既に優れたレビューがたくさん出てますので省略として、ゴジラの過去作をかなりやってるアマプラで2本ばかり見たのでそちらの話を。
というか、1954版はすごく好きでDVD出た時に買ってたくらいだったのですが、基本、洋画好きなせいもあって、そのほかの国産ゴジラは、テレビでなんか見たなぁ程度でほぼ見てなかったという… エメリッヒ版は劇場で見て、これゴジラシリーズの続編じゃなくて、『原子怪獣現わる』の続編として作ったらここまで叩かれずに済んだんじゃないかと思いましたが。
2019/6/7時点で軽く確認したところ、
・ギャレゴジ
・ゴジラ(1954)
・怪獣島の決戦 ゴジラの息子
・三大怪獣 地球最大の決戦
とPRIMEに入っておりました(順不同)…他にもまだあるかもってか、検索しなおしたらエメリッヒ版もあった。
そもそもなんでこんなにたくさんあるんだって気持ちになりますが。
その中でとりあえず見たのが、キングギドラ先生初登場の「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964)
【公式】「三大怪獣 地球最大の決戦」予告 ライバル怪獣キングギドラが初登場するゴジラシリーズの第5作目。
・なかなか怪獣出てこなくてだるくなってくる。ローマの休日風味の王女の話は本当に必要だったんだろうか…(アレがなかったら話が半分以上削れて長編映画として成立しなくなる予感もするけど)
・ただし王女役の若林映子、主人公の妹の星由里子はほんと素敵。
・ラドンが阿蘇山、キングギドラは黒部ダム近辺に落下、ゴジラはしれっと太平洋から上がってくるとか、いまさらだけどあんたらなんで日本を待ち合わせ場所にしとるんや
・なんか主人公一家がテレビ見てたら、「あの人は今」企画で小美人が普通に出てきて、ふぁああ!?ってなる。普通にテレビ局に呼ばれて出演してたらしい。
・インファント島の祭祀の描写(肌を茶色に塗った役者がみんなでばったんばったん拝んでる)とか、今やったらエラいことになるよね…
・出くわした途端喧嘩しはじめるゴジラ、ラドンの挙動が完全にチンピラ。つか、ゴジラの遠隔攻撃がそこらの岩蹴って当てる、または岩を投げるって感じで、ラドンに投げつけてるうちにラドンがヘディングで返してきてヘディング合戦になるとか、どういう顔して見ればいいのかわからんくなった。というかあなたら、すごい光線とか炎とかなんか吐いたりするんじゃなかったですっけ…?
・とにかくキングギドラやべえってことになって、小美人がモスラ召喚。モスラがお互いイキリあってるゴジラとラドンを説得しようとするんだけど、共闘拒否られて一人で糸吐くくらいしかできない芋虫形態のままキングギドラに立ち向かうモスラ… ほんとお疲れ様…
・金星人化した王女と、王女を狙う暗殺者、王女を守ろうとする主人公の刑事でバトル。谷を挟んでライフルで狙撃してくる暗殺者に刑事が拳銃で対抗するんだけど、なんかライフルの弾当たってもわりと平気で動いてる。銃器詳しくないけど、なんかこれおかしくない??
・それにしてもゴジラの動きが軽いというかちまちましているというか、ぴょんぴょんするのやめーやというか重厚感というものがない…わざわざ敵に背を向けてしっぽで攻撃とか、無駄にかわいいことするのやめようよ…
このへん、蒲田くんとかはとにかく、ゴジラの形になったあとはヘタに動かさなかったシン・ゴジラは巧かったよなぁ…
・というわけでくんずほぐれつしてるうちに、え、これでいいのって感じで終わり…
そして、同じくキングギドラ先生入りの「怪獣大戦争」(1965)。例のゴジラがシェー!のポーズをやるやつです。
【公式】「怪獣大戦争」予告 X星人が初登場し、”シェー”のポーズで知られるゴジラシリーズの第6作目。
・謎宇宙船で木星の衛星を探査…からのX星人とキングギドラ先生登場ということで、怪獣が出てくるまでが早いのはよかった。
・謎の会議で、X星人の提案受け入れましょうってなっちゃうんだけど、このへん54年版の国会の描写とか巧かったのに、どうしてこうなった感…
・ゴジラとラドンが雑魚い。シェー!をやらなくても充分雑魚い。
・キングギドラの操演、ミニチュア撮影による街破壊シーンはかなり良い。ミニチュア撮影パートのつなぎ方がテンポ良くて編集上手いなーと思いました。キングギドラの首は骨入ってない感満載で、KoMもそういうふうに動かした方がもっと化物感でたかもしれないという気もしないでもない。
・X星人♀の水野久美が妖艶で素晴らしい。惚れた男に重みがないのが気の毒ですが。
・X星人、アホの子ちゃいますか…? 放っておけばほぼほぼ問題なかったのに、むしろ自爆やん!自爆やん!
それにしても、ゴジラ(1954)はかなりリアル志向だったのが、なんで昭和ゴジラはどんどん軽くなったというかコメディ要素入れるようになったんでしょうか。54年版は相当な突貫工事で作られたというエピソードをどっかで見た記憶があるのだけど、国会の描写だったり、避難の様子だったり、街の人の声とか例の銀座で死んじゃう母子とか色々行き届いてたように思います。あと、恵美子さんがオキシジェン・デストロイヤーの話聞いちゃって、動揺しながら家に帰り、一呼吸置いてから山根博士のところに出てくる様子が、素通しの家の中を横から撮るので表現されてるシーンがめっちゃ好き。昔の日本映画って感じがする。
1954年版のノリで次々続編作るのはそりゃ厳しいだろうと思いますが、褒めどころが主に女優さんと特撮の編集になるとか、なんだかなぁ…
ゴジラシリーズの諸々についてお詳しい方にご教示いただけましたら幸いです。