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『桜田門外の変』


映画『桜田門外ノ変』予告編 - YouTube

桜田門外ノ変 - Wikipedia(映画)

父がたまたま見て気に入って、水戸のロケセットまではるばる行ったという2010年の作品。たまたまレコーダーにあったので実家で一緒に見ました。

桜田門外の変 - Wikipedia(歴史)

・映画として悪くはないんだけど、なんだろう、きらめきがないというか。

 百田のアレとかからすればまともといえばまともなんだけど、時代に突っ込みすぎてファナティックになった結果、あかんことになるってところをもうちょいなんとか描いて欲しかった的な。水戸藩はさらに一部が先鋭化して天狗党とかやらかして、維新迎えても人材全然残ってなかった問題あるわけで。

※「首」(短編)『魔群の通過』等、山田風太郎史観すぎかもですが。

・その意味で、井伊側の視点も若干入れつつ、井伊は伊武雅人が悪役っぽく、斉昭は北王路欣也で善玉っぽい演出になってるんだけど、結局正解は「日本が分裂したりせずに一体となって開国する」ことではあるんで、井伊さんサイドからいえば水戸と尾張が薩摩とつるんで朝廷ひっぱりだしてごちゃごちゃ脇からうるさいんじゃ!て状況ではあるはずなので、配役・演出が逆だったりすると面白かったかもしれない(井伊さんサイドには安政の大獄やらかした問題あるけど)。

桜田門外のセットはすごい。広い。父がわざわざ見に行ったけれど、現在は閉鎖されてるっぽい。そのセットを活かしたフリーバトルの殺陣(というか、人を斬ったことがない者同士の斬りあいとして演出)も面白かった。でも音響はわりと時代劇の殺陣という感じだったので、そのへんどうなんだろう的な。映画館で観たら印象違ったかもしれないので保留。

・それにしても20分近く江戸城のすぐ外で斬りあいしてたのが謎すぎる。雪降ってたっつうても、井伊家の門も遠くに見えてるし、見物人もたくさんいたのに。江戸城だって桜田門の向かいの屋敷だって、門番くらいいるんだろうから絶対これすぐわかるやろって感じだけど、これが史実通りというのが意味わからん。当時は外で緊急事態あっても見に行っちゃダメとかあったのかしら…

・逃亡中の某所での斬りあいはファンタジーとしての「時代劇」ぽくなちゃってたかなという感じ。なけりゃないでメリハリ足りなくなってたかもだけど、うーむ…

・袋田の豪農の家は、常総市の坂野家住宅で撮影したもので現存。ちょっと行ってみたい気がする。あと最後の越後湯沢の宿は泊まれるとこなら行ってみたいけど、書いてないのよねぇ…

いばらきフィルムコミッション|ロケ情報ヘッドライン

 

それにしても久々に『魔群の通過』思い出して読みたくなったけど、ほんっとに救いが1ミリもない、ものすごい鬱小説なので迷うわ~…

初めて読んだときから20年経ちましたが、体力気力の衰え的に耐えられる気がしない…

魔群の通過―天狗党叙事詩山田風太郎幕末小説集2 (ちくま文庫)

魔群の通過―天狗党叙事詩山田風太郎幕末小説集2 (ちくま文庫)