仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

ハーバード半端なさすぎる...そしてその頃日本の大学はナニやってるか。

非常勤2件(受講者30人/90人)がよーやく終わりに近づき、ちょと一息な今日この頃でございます。
伊藤先生のエントリ拝見して、「学生が古典含む指定本数冊事前に読んでくるのが大前提」「学生が講義で積極発言」「ディスカッションの取り回しが出来る級のTAがたっぷりつく」とか、なんという夢の環境...とクラクラ。
自分の場合、そもそも教員としてのトレーニングって、大学院時代に師匠の調査ゼミでTAやらせていただいたくらいで、ロクに研修受けたこともないしなー。
『ハーバード白熱教室』の裏側:ハーバードの一般教養の授業をサンデルの講義を例にして説明してみる - Cerebral secreta: 某科学史家の冒言録
彼我の差にがっくりではありますが、がっくりしてばっかでもしゃーないし、日本の大学教員も限られまくったリソースの中、色々取り組んではいるわけで、世間狭いめも子の耳にも入ってきたお話をちょこちょこメモしとくです。

・大前提:学生による講義評価&シラバスも到達目標立てて公開☆はデファクト・スタンダードに?
自分は女子大と理系単科大に行ってるんですが、基本、マークシート方式の無記名アンケートを配布>回収>教務が集計してくれます。
別途記名式のレスポンスペーパーで書いてもらってはいるんですが、無記名もあった方が助かるです。

追手門学院大(社会学):1年次からゼミでがんがん身近な現象を分析
去年、たまたまご縁があってお邪魔したのですが、なんかホワイトボードに女性誌の分析のブレストっぽいことが書いてあって、なんじゃこりゃ?とパチクリしていたらば、「1年生からゼミに振り分けて、こゆことやらせてる」とのこと。楽しそうすぎる!
自分が学部いたころは、基礎科目(社会学だとウェーバー&デュルケムに始まって云々)>おもむろに専門科目てカリキュラムだったと思いますが、先に対象に触らせて分析する面白さに巻き込んでから、「こんな分析の仕方もあるでよ!」「こんな考え方もあるでよ!」と教えてった方がそりゃええわ。
特に昨今は、就活の前倒し化がエラいことになってるし。
あと、ゼミ形式だとそれなりに人間関係発生するきっかけも作りやすいんで、大学通うモチベーション喪失→退学ルート防止にも一定なるかなと思います。グレート。

・広島経済大:学生の地域貢献企画サポート&プレゼンスキル向上講座とかもやるでよ!
知人がいるんですが、学部専攻の枠にとらわれず履修できる色々単位+学生に色々企画やらせるトコロを設置している模様。詳細は下記。
興動館プロジェクト|広島経済大学興動館
広島大>>広島修道大が頭にのっかってる状態で偏差値上げてきてるっぽいのはなにげに凄い気持ち。

・非常勤先(理系単科大)
一般教養的に入ってる文系教員主導で、低学年を対象にクリティカル・シンキングを身に付ける用講義を複数開講。そっち専攻の非常勤講師も新たに獲得。
ただしリソース不足のため(指導にめっさ手がかかるから、少人数でないと無理…)、現時点では全員必修まで出来ない…けど、何年か経てば、やった学生とやってない学生の間で差があることが学内でわかってきて、必修化できちゃったりするんではないでしょうかな予感もしないでもない。

・愛媛大
 講演で伺ったお話。
〜カリキュラム策定方法改革〜
 到達目標設定&シラバス事前公開はもはや国内でも基本(できてないとこもあるけど…)ですが、学科/専攻ごとのに包括的な到達目標を設定して、それと個々の講義が合っているかどうかすり合わせ&必要があれば講義内容修正と。
 個々の講義で達成できることを要素に分解+再ストーリー化で、FFXのスフィア盤的なノリで、自分の大目標にあわせて必要な講義をとっていけるようにもなってたような(このへんちょとうろ覚え)

〜コンサル入って学生から聞き取りして授業評価〜
 これは希望する教員のみですが、コンサルが受講者に直接聞き取りして教員にマイナス点、プラス点を伝えるかたちで授業評価もしていると。
 アンケートだとやっぱ、要望くみ上げは難しいですしね。
 もちろん、さっくり対応できることもあれば、学生がマイナス点として挙げたことでも、教員としては大学教育として必要だと判断してやってることとか、修正に時間がかかることもあるので、全部が全部学生の希望にあわせられるわけではないんですが、こういうことをすると学生に教員の本気が伝わるものらしく、色々好評とか。

 んで、これだけじゃないんですが色々諸々の改革に取り組んで数年、約3%の退学率が半減したとのこと。今後は内定出た学生がどういう講義を取っていたか分析してみたい、あと評価方法が困難だけど、「後々心に残る」講義ってなんなのぜ?というあたりをなんとか分析してみたいとのことでした。
 自分の妄想としては、もし卒業生の5年後、10年後...等々追跡調査が出来て、キャリア形成と大学教育への満足度みれたら面白いなな気持ち。

 とまあ、自分の知ってる範囲のほんと一例ですが、全国あちゃこちゃで取り組んでるところはあると思うので、高校生の方、大学受験生の方は、進学先を決める際に、志望校でこのへんどうしてるのか根掘り葉掘りされた方がよろしいかも。
 若いときの4年間×数百万の投資ですから、学生の人生への貢献度あげるために頑張ってるとこにしといた方がええですしの…
 個人的には、「同じ講義とってる学生間の差がなんか年々開いて行ってる…?(某女子大での体感)」のと平行して、教育機関としての大学の性能も年々開いてってるんではないかという予感がしますです(ソースは特になし)。

=おまけ:自分としてやっていること=
大学とは関係ないとこでフルタイム勤務持ちなんで限界ありすぎですが、一応そこはかとない努力を…
・毎回レスポンスペーパー&次回講義冒頭で前回のレスポンスペーパーでおもろかったの紹介(氏名抜きで)
同じ講義聞いても全然違うレスポンスでてくるってのは面白いので。
書きっぱなしよりも、他の人はどんなん書いてたんとか、自分がおもろいこと書けたらこれおもろいわ言われた方がええやろ的な。
あと、これやると前回とのつなげやすいしな!
・レポート
……このレポートが難問で。
事前に序論(問題提示)>本論(問題詳解、分析)>結論(自分の主張)とか構造作れ的なマニュアルは配布するんですが、出来る子はそのマニュアル見なくてもできるんだけど、出来ない子はそれ見ただけじゃできない…
実際書いたものを土台に「ここをこうしたら構造作れる」ちゅ話をできれば口頭、せめてコメント返しでやんないと、ムリなんだろうな、と思うのですが、20人までならとにかく、90人は物理的に不可能。
高校までで、レジュメの切り方とレポートの書き方やっておいてくれたらいいのに…!
というか、ゆとり教育ってそういうことやってくれるんじゃなかったの?なかったの?(号泣)
来年度は学期なかばにレポート提出してもらって、小分けしてじくじくやってくかなぁ… ちょと色々考えてみようと思います。