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仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

いまさらですが『一夢庵風流記』を初めて読んだ

一夢庵風流記 (集英社文庫)

一夢庵風流記 (集英社文庫)

隆慶一郎、面白いとは思うんですが、山田風太郎を愛しすぎてるんで、つい後手後手になってたところ、実家から戻るときに新幹線構内の本屋のぞいたらたまたまあったので、ふと購入。花の慶次表紙でした。

ぬー…………
いや、面白いんだけどおおおおおおおおお、なんだろなああああああああ。
臆面というものがあまりないホモソーシャル感がどうも肌に合わないというか、平気で「ヒーロー」描けるまっすぐなノリが、33回転半くらい屈折してるくせに根本で人間ちゅうものを信じてる山風を愛しすぎるとしんどいというかまあそんなかんじで、面白いんだけどおおおおおお、なんか私、ノレないのおおおおお感が再び。

たとえば『一夢庵風流記』だと前田慶次郎(+直江兼続)の話なんですが、同じ取り合わせを山風がやると『叛旗兵』になるんですよね。

叛旗兵〈上〉―妖説直江兼続 (徳間文庫)

叛旗兵〈上〉―妖説直江兼続 (徳間文庫)


叛旗兵〈下〉―妖説直江兼続 (徳間文庫)

叛旗兵〈下〉―妖説直江兼続 (徳間文庫)


…て、なんかいつのまにかヘンな副題ついてるし。『妖説太閤記』から「妖説」をもってきて直江バナであることを明示して「天地人」バブルにのっかるつもりだったんでしょうか。
それはさておき、こっちは関ヶ原後の時代からなんで、前田慶次郎はマッチョイケメン傾き者というより、そういう時代もあった坊主頭のムダにキャラが濃いおっさん「前田ひょっと斎」として描かれてるんで全然アレなんですけど、こちらのテーマは「直江状とか書いてガッツリ義をキメたかちょええ直江兼続はなんでその後徳川に恭順して大阪攻めとかにも参戦したんだぜ?」。
隆の方は、そういうダルい展開になる前に話が終わるんですが、その後!その後のある意味かちょよくなくなる直江の転回を主題にするんですわ山風は。
んで直江の変心ちゃ変心の背景として、お姫様+ひょっと斎他「いくさ人」チームを狂言回しに加藤清正やら福島正則やら伊達政宗やら浅野やら、武闘派戦国大名だった人達のあがきっぷりやら色々描かれるという趣向になっております。
色んなキャラ出しまくりで、山風作品としてはちょと中だるみ感のある部分もあるんですが、ラストは傾き者としての前田慶次郎&都合のいいところで話を切られていない直江兼続にはこっちがふさわしいかなー…

キャリアは全然違いますが、ほぼ同世代、両者とも伝奇小説を融合させた時代小説を書いたつうとこで、共通点もあるんですが、一番大きい違いは隆は太平洋戦争に従軍し(で、『葉隠』と出会い)、山風は銃後で色々煩悶しながら『戦中派不戦日記』を書いた屈折にあるんだろうなーという思いを再び。