仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

神隠し事件の産経報道に正直どん引きした。

えー、「江東マンション神隠し殺人事件」の第一回公判の報道なのですが。
ページが見つかりません - MSN産経ニュース(msn産経)
「神隠し殺人 初公判 詳細一覧 (2009年1月13日)」:イザ!iza!
記事日付と時間と比較すると、10時に開廷して10:15までの内容を11:08にうpしましたヨ。速報でやってるですよという企画。なんかmsn産経できたときにも、こういう方向にテコいれするとか言ってて、そりゃ面白いかもしれんねえと思ったよーなうろ覚え。
..............が。これが..........
事件が事件ちゅうこともあって、相当生々しいというか読んでてかなり気持ち悪くなり、途中で止めました。怖がりながら、サイコサスペンス系統は嫌いじゃないんですが、いくらなんでも無理ですわコレ。
実際、テレビのニュースでは「テレビではお伝えできない残虐なもにょもにょがありまして」て、ぼかしてたよーな記憶(よそ事しながらだったんでうろ覚えですが)。
あ。例がありました。
「性奴隷」狙った被告 おぞましさに「裁判員」耐えられるか : J-CASTテレビウォッチ

小倉智昭は「放送ではさまざまな影響がありますから、かなりカットされている部分がある」と漏らし、傍聴した大村正樹リポーターは「あまりにおぞましい内容が多すぎて、テレビで言うのは憚(はばか)られるようなことが、10人の遺族の目の前で、被告の口から語られた6時間でした」と報告する。

で、まあそのワイドショーでもニュースでも、「テレビじゃようやらん」と判断された部分が、法廷写生絵+文字のみですけれど、数十分くらいの間を置いてですがほぼ実況されたと。たぶんこのシリーズ、PVかなり出たと思います。結局一次情報に一番近いのってコレっぽいし。
んだけどさ〜...
gdgd感満載ではありますが、新聞が「公器」「社会の木鐸」でありえたのって、「なんだかわからんけど、とりあえず社会の一員な市民が知っておくべきこと」をパッケージして毎日毎日お届け!な情報産業だったからですよね。内実みればアババババな部分もありますけど、とりあえず建前としてはそれがある。なので、知らせるべき情報/知らせる必要がない情報の閾値が高い。セックススキャンダルとか下世話なアレコレとかは細かいとこまではやんなくて、興味のあるヒトはスポーツ紙なり週刊誌でも見てくださいみたいな方向だったわけです。だからこそレピュテーションがいまだに一応高いわけです(過去のイメージの食いつぶし状態かもしらんけど)。
んが、このシリーズみたいに「事実起こったことを垂れ流し」でやってると、なにを掲載してなにを掲載しないかって判断つーか「編集」の部分を捨てちゃうことになるんですよね。開始数十分後に冒頭うpのペースだとデスクのチェックとか無理だし、とりあえず「起こったこと」を逐一垂れ流しにせざるをえない。
でもそれなら、高い教育受けて勝ち残って新聞社に入って訓練受けた記者じゃなくて、ブロガでいいんで、記者としてのトレーニング積んだ分がものっそ無駄コストになっちゃうわけです。もっと進んでいけば、昔よりは署名記事増えてるけれど基本匿名の記者よりも、HNだけどそれまでの実績がちゃんと同定できるブロガの方が信頼性高いということにもなりかねない。
これってどうなんだろうなぁ...
産経は、昔っからネットへの対応どうにかしようとあがあが頑張っていて、イデオロギー的には全然さっぱり好かんのですが、そのへんは生暖かく愛していたのですけど...うーん。
ほんとにフラットな打ち合いでいいの? 本当にやるつもりなの?みたいな。
記者の取材力やら編集ノウハウやら諸々、新聞社の本来の強みが全然さっぱり金にしにくい21世紀においてどうにか生き残ろうとしてることはわかるんですが、これ、産経が想定しているよりもヤバい地獄の釜のフタを開けつつあるよーな悪寒もしたりです...

別に猟奇事件報道の規制云々の話ではなくて、逆にJ-CASTへんが記者潜り込ませてレポるんだったらわかるし、それはそれで使い分けられはするんだけれど、レーティング表記もナシに新聞社サイトでコレってどどどうなのー!? 
そのあたり「新聞社が報道すべきこと」てなんなのぜ?て捉え返しを徹底してほしいです...スレ立て人がこりゃいかんと思ったら、【グロ注意】てスレタイに入る2ちゃんねるの方がマシな気もしてくるですよ。
というわけで、ねとわく時代における公器ってなんなんだぜ?な思いを新たにしたりなのですが、それにしても日刊炎上新聞てほんとに取材に出ないことに気がついたり。単にマンパワーが足りてないのか、企業理念として「オフィスから一歩も出ずに全記事作る!」とかあるんだろうか。