仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

『バンテージ・ポイント』(ネタバレすんよ!見る予定の人は踏んじゃだめよ!)

公開3週目にして豊洲の日曜夜ではガラガラでしたが、アメリカサスペンスほにゃらら映画としてはかなり面白かった。24的といえば24的ですが。
ちとまだ公開中なのでネタバレはいかがなものかとも思いつつ、まあほにゃほにゃ。
ぐっぐる先生で直にエントリ踏まれると続きを読む記法が無意味なのはどーにかならんもんですかの。
Sony Pictures
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バンテージ・ポイント - Wikipedia

=概要=
・スペイン人少女の少女力の高さは異常(→『みつばちの囁き』)
・スペインのアデージョアデージョ力の高さも異常
・シガニー様の威圧感の高さも異常。国内で対抗しうるのはもはや千鶴子様くらいじゃないのか?
・一応主人公?のおさーんシークレットサービスが乗り回すVWの小型車っぽいモデル(車よくわかりません)がいくらなんでも最強すぎる。
例によってプロダクト・プレイスメントなんだろうけど(ただの個人的な憶測。ソースはにぃ)、ここまで最強だと顧客が無茶しまくってえらいことになったけどお前らのPRのせいやちゅうて訴訟くらうのではなかろうか。ていうか大破してもエアバック出て来た描写はなかったんだけど……エアバックで中の人がぎゅうぎゅうになって出てこれんようになったらいかんからのぅ。
・アメリカの人民は、自分たちの大統領はテロに対して脊髄反射で無辜の人民も大量に巻き込んだ直接的報復をしたがる愚か者ではなく、軍など伏魔殿な組織の都合を受けてやむをえず泥沼抗争をしているのだというドリームが大好き。
ウィリアム・ハートの老け方に全米が号泣。昔は蜘蛛女のキスとかやってたのに……
・観光客の描写がおもろい。かなり鶴瓶ぽかった。でもアカデミー賞取ってる人らしい。しかもアミン大統領役。鶴瓶なのに……
・防弾チョッキという文明の利器はこの世界に存在しない。あるいは、ほぼすべての銃器が防弾チョッキを貫通するので意味なしお。

で、「米主導で、スペインのサラマンカで五大陸の指導者を集めて国際テロ撲滅になんだか宣言すんよ!」イベントで挨拶…しようとしたら、なんだか狙撃されちゃったよ!大変だよ!という大騒動をリワインドしながら8人の視点からクロスさせて描く…という作りで。

・アメリカ大統領(禿)
・同時中継してるTV取材班を指揮してるシガニー様(役職としてなんていうのかわからん)
・大統領警護中に撃たれて復職したばっかのシークレットサービス
・スペイン人地元刑事
・ビデオカメラ持った観光客(鶴瓶)
・テロ指揮者およびテロ実行犯の皆さん
(順不同)
くらいだったかなー…ちゃんと数えてなかったんで、誰を「8人」にカウントしているのか、最後のへんいまいちわかってない。

で、「バンテージ・ポイント」(有利な視点)てタイトルは、どういう意味だったのかというと、たぶん「有利な視点」なんて都合のいいものはないんだぜ?みたいな方向なのかなーと。

たとえば、シガニー様は5台くらいのカメラの動きを指揮して、必要がありげだったら過去の映像アーカイブも参照しながら、会場の外側を埋め尽くす反米デモにはカメラを向けない+流させないというわかりやすい統制もかましつつ、全米生中継をするにふさわしい映像をエディットしながら流してる…というわけで、一番「その場を多角的に見れた人」ではあるんだけれど、おさーんシークレット・サービスが決定的な手がかりをつかんだ映像については、「なにが映っているのかわからない」。

その頃、職業的なバイアスのかかっていない、初めて生大統領とか見て舞い上がってる観光客はどうかというと、めくらましにひっかかったシークレットサービスの挙動にひっかかって、実際には非常に決定的なところを目にしていたはずなのに誤った手がかりに吸い寄せられたあげく、実際には起こらなかったことを「見た」と思い込んでしまったり、高いところから見下ろす位置にいたせいでなにが起こったのか完全に取り違えていたり。
一番激しい勘違いをしまくったのは、この事件に対してもっとも中立であるはずのこの人というあたり、映像のプロであるところの映画人から、素人ビデオが真実を映す神話へのプークス感がにじんでるような気もしないでもない。

地元刑事は地元刑事でアデージョの様子を完全に誤解して、もうなにがなにやらぐだぐだになりつつ、本当にたまったま掛け値のない真実を最後に口走るという流れ。スペインの優男枠なんでもって瞑すべし。

一応シークレットサービスは、シガニー様が読み解けなかった断片にくらいついて「正解」にたどりつきはするのだけど、すべてを見渡すところにいるかといえば、観光客の証言に引きずられたりとか、予断で妙な方向に引っかかって初動を誤るわ、ぶっちゃけ正解に至ったのは象を轢いても壊れない小型車とリアルラックのおかげです。ええ。
あ。テロ指揮者は一応事態を掌握して、主に携帯で状況をコントロールしてはいるか。でも彼のミッションは違うところにあるわけだしな。

なんにせよもっとも「不利な視点」は、シガニー様がリアルタイムで統制済みの、反米デモやらレポーターの跳ねっ返りコメントやらなにやら都合のよろしくない「ノイズ」をカットされた「世界平和を主導したりする偉大なるアメリカ」喧伝をお茶の間でおくちぽかんと見る係、なんでしょうけれど。

=08/03/25追記=
抗議映像封じる中国テレビ局のワザとは : J-CASTテレビウォッチ
おくちポカンの例。
生中継、に見せて1分遅れ→アクシデントあったら速攻カメラ切り替えと。
なんか国内でも今年度そげなことやりよったとこがあったような記憶があるけどなんだったっけ。亀田?