仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

『恋空』関連論考色々(ほぼクリップのみ)

昨夜、むらむらと「そーいえばこないだ読もうとして目が滑りすぎて読めなかったケータイ大賞受賞作って、よく考えたら恋愛情念系blogの文体にかなり近いんじゃね?」と思いつき、だから登場人物の出し入れがわけわかんなかったり、自分やら対象の描写が非常に薄いというかなんというかなんじゃないかとか、ひょっとして適当なところで脳内タグ打って、エントリのつらなりに分解して読んでいけばめも子でも読めるんじゃねーかとか、蜻蛉日記とかアレ(アレですよアレ)だと思えばいいんじゃねーかとかにぅにぅ考えてたのですが、なんかおっきしたらRSSリーダーに色々引っかかってたのです。なんか首都圏周辺にケータイ小説について考えロ電波でも出てたのかこれは。皇居のお堀へんに潜水艦級のナマズでもいて、それがゆんゆんと『恋空』読みながら電波出してる絵を軽く妄想。

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いずれにせよ、というわけで、僕的には、これはけっこうまじめに読むに値する小説なのではないかと思うわけです。少なくとも、これは泣きの条件反射で作られている物語ではない。それにしては過剰な構造があるのです。骨組だけがごろんと転がっているので、いわゆる文学が好きなひとはかえって読めないのでしょうが、その骨組そのものはけっこう複雑な構造をもっているのです。

構造、郵便的つーかまあそげな感じらしい。

んで濱野さん。
WIRED.jp
初回なので恋空論俯瞰。
少女たちのポストモダン - ケータイ小説に見る彼女たちの記号的消費 - hybrid issue(s)
あと、宮台、佐々木の記述などなど色々整理。

ただ少なくとも『恋空』に関していえば、そこに描かれている「リアル」は、決して「限定された」ものとはいえないのではないか。そう筆者は考えています。

ほわー.....

2008-01-15 - 濱野智史の個人ウェブサイト@hatena

この作品においては、「彼氏であるヒロが難病で死んでしまう」という死亡フラグの存在自体が、何かこのストーリーを悲劇的ないしは感動的なものにしているのではない。むしろ、すでに彼が死んでしまっている「現在」の視点から、過去の「幸せ」だった時間を、膨大な分量を通じて回想するという「振り返り」の視点に感情移入させることで、この『恋空』という作品自体が、「もう死んでしまったヒロに対する、決して届くことのない『回答』になっている」ということを感受させる、という構図になっている。いいかえれば、「彼は死んでしまう」という事件それ自体が切なかったり悲しかったりする感情をもたらすのではなく、「彼は死んだとしても、それを受け入れていく」という《決意》や《受容》自体に、読者もまた感情移入するように構成されている、というわけです。

「決して届くことのない『回答』」あたりがほにゃららなんでしょうけど。
ぬー..........
まあ次回連載をワクテカ。
関係ないけど、『NANA』(NANA - Wikipedia)も、文庫版各巻の頭のタイミングで、恐らく決定的なナニカが起こって大崎ナナの方が「いなくなった」後に皆で集まってナナの不在を共有するという場面が挿入されてるのと連関あるのかなぁと思いつつ早幾年。「美嘉」つーペンネームから中島美嘉(映画版「NANA」主演)を連想して引っ張られてるのかもしれないけど。
=08/01/31追記=
WIRED.jp
続き。タイトルと以下の要約がわりとすべてを物語ってる予感。

(登場人物についての注:主人公(ヒロイン)=「美嘉」/主人公の恋人(イケメン)=「ヒロ」)

  ↓美嘉とヒロがはじめて知り合ったのは、
  ↓偶然、電話でお互いに会話したのがきっかけ(書籍版上巻p.20/『魔法のiらんど』版前編p.9)。
  ↓その後も何度か電話をするが、互いに顔も知らないまま、電話だけでいい感じの関係に。
→イケメンと付き合うヒロイン
  ↓付き合ってすぐにヒロの部屋でsex。
  ↓しかし、終了後にヒロのケータイが突如鳴ってしまう(上巻p.35/前編p.22)。
  ↓それはモトカノからの電話だった。しかもヒロは電話に出てしまう。
  ↓美嘉は不信感を抱き、いったん付き合うのをやめる。
→イケメンにふられた元彼女が逆恨み→男たちにレイプ指示→レイプされる(レイプ犯の子は妊娠してない)
  ↓美嘉のもとに、非通知の電話で『ブス』と言われ、
  ↓知らないアドレスから《シネシネシネ》とメールが届く(上巻p.59/前編p.43)。
  ↓すかさず美嘉は《ダレデスカ?》と返信したところ、
  ↓レイプを指示したヒロのモトカノであることが判明。
  ↓その後も執拗に《ブス》《シネ》と嫌がらせメールを
  ↓受け取った美嘉は、精神性の胃痛で入院(上巻p.61/前編p.45)。
  ↓リストカットもしてしまう。しばらくして退院。
  ↓PHSの機種変(*1)をしたら嫌がらせはなくなり回復(上巻p.65/前編p.47)。
→イケメンと図書室でのsex
  ↓非通知の着信で、ヒロを名乗る電話を受ける(上巻p.89/前編p.88)。
  ↓しかし、実は「なりすまし」でモトカノの仕組んだ罠だった。
  ↓体育館の裏に呼び出されて、下の通り突き飛ばされて流産。
→イケメンの子供妊娠するが、元彼女に突き飛ばされ流産する
  ↓ヒロからの別れの言葉は、メールで《ゴメン、ワカレヨウ》の一言(上巻p.162/前編p.147)。
  ↓電話をかけてもずっと留守電。
→いきなりふられる
  ↓何度かヒロの自宅まで押しかけるが、ヒロには「愛を証明しろ」といわれ、
  ↓「仲のいいダチに、俺の事好きって電話かけろ」と命令される(上巻p.178/前編p.163)。
  ↓その後結局完全に別れる。美嘉はPHSから携帯に変えて、
  ↓アドレス帳にヒロの番号は一度登録したがやっぱり削除(上巻p.206/前編p.191)。
→すぐに新しい彼が出来る
  ↓(ここからの話が実はけっこう長いのだが、)
  ↓ヒロと別れた後、何度か親友たちとトラブルを繰り返す。
  ↓ここでもケータイが決定的に重要な役割を果たす(後述)。
→イケメンがガンになってることを知る→彼氏を捨てて、元さや
  ↓クリスマスの夜に、ケータイのテレビ電話機能を使って、
  ↓病床にいるヒロといっしょに、過去に流産してしまった赤ちゃんの
  ↓お墓参りをする(下巻p.242/後編p.216)。
→ガン闘病中で瀕死のはずのイケメンと野外セックス→イケメン死ぬ
  ↓ヒロが死んだことを現実のものとして受け入れられない美嘉。
  ↓そんな美嘉を見かねて、共通の友人だったノゾムが、
  ↓死の間際にヒロから送られてきたメールを美嘉に見せる(下巻p.304/後編p.285)。
  ↓そこには、「もし俺が死んだら、美嘉に現実を教えてやってくれ」
  ↓と書かれていた。
抗がん剤で精子全滅だったはずのイケメンの子を妊娠発覚
→将来とか考えてないけど生むわ

(F速VIP(・ω・)y-〜 「恋空」があまりにも酷い件についてをもとに筆者が加筆、作成)

「PHSの機種変(*1)をしたら嫌がらせはなくなり回復」で噴いた。入院する前に変えろよ!!!

=08/02/15追記=
WIRED.jp

筆者が今回提示したのは、『恋空』という作品は、膨大なケータイに関する「操作ログ」の集積としても読むことができるということです。そして、それをトレースするようにこの作品を読み進めていくことで、実は《客観的》に見れば――すなわち「第三者=読者」の目から、あるいはサルの生態を観察するような「観察者」の目から見れば――トンデモで「脊髄反射」的に見える登場人物たちの行動が、実は《主観的》に見ればそれなりに妥当で繊細な「選択」や「判断」の連続によって決定付けられていることが分かる。少なくとも、ケータイの存在が当たり前になった世代(それは筆者自身も含まれるのですが)における、ケータイ利用に関するリテラシーや慣習と照らし合わせてみるならば、この作品に描かれているケータイに関する操作・選択・判断・反応のあり方は、それほど支離滅裂でもなければ脊髄反射的でもありません。いってみればこの作品は、「レイプ」だ「中絶」だといった「ストーリー」(事件内容)の水準とはまた別に、ケータイ利用の「リテラシー」の水準で「リアル」を担保しているといえるのではないか。

「ヒロ」との交際前段階で、ショートメールの仕様のハナシとかが入ってるぽい。なかなか。
「ログ」として読むのならめも子にも読めるかちら...