仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

小総括:Second LifeとメタバースとMMORPG。

えー、再々SLネタについてうろちょろ情報集めているのですが、自分のスタンスとしては

「ビジュアライズされた空間を共有して、その中でうにうにとアバター/キャラクターを介してコミュニケーションを取り、かつその内部で自律した経済が回ったり、あとなんらかのかたちの労働することが可能であるようなサービス(おおむねメタバース。あるいはほにゃらら3.0と呼ばれそう)はたぶん来る。端末対応状況やクライアントの敷居の下がり方によっては*1現在のmixi級に社会インフラちゅうてもいいくらい級まで来る可能性もある」
「だかしかし、それがSecond Lifeである必要は今のところ全然まったくさっぱりない」
「じゃあなにがインフラ級の条件、現行の「一部のヒト」だけではなくて、かなり広範囲の人がはまれる要素ってナニになるんだろう?」

というあたり。で、うろちょろ関連blogとかなんとか拝見しているわけなんですが。

ゲームとしてのセカンドライフの限界点 - ChaboのFF11日記+
Second Lifeをゲームとしてみたら、という視点。
………PSOで2000年にネトゲデビューしたアテクシですが、ゲームとしてSL考えるちゅーの発想はなかった!
なんでかっつーと、やったことはないんですが、ハビタットちゅーサービスについての知識が若干あったから。米でのハビタット、なんでサービス終了したのかナゾに包まれているので(自分的には)ご存知の方降臨かもーにゅですが。

"Second Life"はキモイらしいです - Student magazine
英語圏のお友達複数人にSLバナを振ってみた結論:「ガンダム>World of Warcraft>>>Second Life
ちょw同列で語られてるのか。やっぱそういう位置づけになるのかな...
まあ、プレイヤー(MMORPG)/ユーザー(メタバース)視点からみて、どっちも「ログインしてキャラ動かしてごちゃごちゃしてたら友達とかぽこたんインしてきて今日もどっか行くかー^^」なのは、まああんま変わらないといえば変わらないんですが、

自分の中では、


指輪物語
 →TRPG
  →MUD
  →UO ※MUDとUOの影響関係はどこまであるのかわかってない。
   →EQ→EQクローン
   →東アジア大規模対人戦型MMORPG
   →その他諸々タイトル

というのがMMORPGの流れであり、それとは別のところに
・オンラインFPS
ハンゲーム(うちはMacなんで内情わかんないけど…)
やらなにやらの文化があって、これで「オンラインゲーム」がとりあえずヒトカタマリ。

で、それとは別個に、ハビタットやらThe Palaceなどの専用クライアント必須型コミュニティ&チャットサービス〜Second Lifeという流れかなと思っています。

んが、めんどくさいのがこれ、オンラインゲームの中で当然ネットコミュニティというものが出来てきちゃう、というより、あるタイトルに定住するつーたら、そこに「仲間」がいるから、というのが恐らく圧倒多数なわけで*2MMORPGというものとネットコミュニティというのはゲームがネットコミュニティを抱え込むような形になってるんちゃうかなと。

このへん、オンラインFPSとかはまた違う形のコミュニティになってるのかな? 個人の技量とかをリスペクトしたりdisりあいながら同じ趣味もってるつうところでなにやらを共有と。MMORPGプレイヤーは概してゲームをすなる者としてユルいわけで、そのへんコミュニティを編んでいくリソースがズレてるんちゃうかという予想がある。

さらに、パンヤとかアバター性が強い*3タイトルの場合は、アバターサービスちゅうた方がわかりやすいわけで…ネトゲ内にも色々あるなと。

というわけでネトゲ内のコミュニティのあり方を自分が知ってる範囲でざっくり分けてしまうと、

MMORPG
他タイトルに比べて、長期的なつながり前提じゃないのかなー。
UO、EQ、EQクローン型だとキャラ育成にかなり時間かかるし。やりたくないことでもしがらみでやんなきゃいけないこともあるし。やんない人もいるけど…*4
相互扶助、利権共有で抜けるに抜けられなくなることも稀によくありそうではある…

・オンラインFPS
リアルで言えば新宿スポーツセンター。めも子にはなにやってんのか全然わからんほど(手の動きが見えない…速くて…)すげー巧い人らが対戦格闘ゲーとかしてるのを、後ろから腕組みして観戦してる人の群れとか。
「俺ら」意識みたいな連帯感はあるけど、MMORPGとかのべったり感とは違いそう。
マリオの1面がクリアできない自分が入っていってオトモダチできるとはあんま思えない……いや、個々のプレイヤーさんとお話させていただくとかは全然できると思うんですけど、「仲間」として扱ってもらえるとかは絶対ムリです。

・アバターサービスに近い型
国内で一番古いのは「ぐるぐる温泉」かな…アバターが「このplayerの仮の見かけ」を表示てますよ以上の機能を持ってなかったりで。まあハンゲとか、最近だとパンヤとか。傾向としてはアイテム課金ライトゲーというか。実はぐる温しかやってないので最近のはわからん。
ぐる温でも麻雀しかしてなかったんですが、基本は不特定多数との一時的な接触てんこもり+その中からメル友なりSNS友達に近いのを引っ張ってくる…みたいな感じなのかなあ。て、これはPSOがこんな感じだったという気もしてきた。

はい。ネトゲ黎明期に業界を牽引したMORPG(端的にディアボロ)とか入ってないっす。ざっくりざっくり。

ゲーマーとしての濃さはFPS>>>>>>>>>>>MMORPG>>>アバター。要求される時間リソースやらしがらみ度はMMORPG>>>>>FPS>>アバター(ここいい加減)。

なにが言いたいかと言いますと、

「一口にネトゲ、一口にネットコミュニティといっても、その中みてったら、そこで織りなされている諸々ってかなり違ってたりする*5

で、Second Lifeに話を戻すとして。じゃあSLはどれに近くなるのか?てところをあえて考えてみるとして

・「つくる人」にはやり込み要素無限大ちゅーところでオンラインFPS型的な部分もあり、お店経営とかなるとヨコのつながり必須なんでMMPRPG型という部分もあり。
・「つくらない人」にはアバター型に近くなりそう。

という感じで、二層化されちゃうのが折り込み済み。ちょっとこれ、普通のネトゲ発想では測れない部分もあるかもしれないにゃ…。ネトゲでも「廃人」vs.「一般人」ていうのはあるんですが、同じ地平に立ってないヨそもそも。
で、恐らく、前者のタイプのユーザーさんには魅力たっぷりなんだけれど、後者のタイプのユーザーさんにはつかみ所が…なところが昨今の電通SL煽りへの警鐘乱打方向の言説なのかなという気持ちなのです。

ネトゲをみてみると、まだ白書買ってないんで詳細はナゾですが、最初はパッケージ+月額課金型MMORPG型へんで盛り上がって、アクティブユーザー数十万級のタイトルもぼこぼこ出たのですが、ヒト集めて金むしれる効率という点で元気いいのは、アバター志向課金アイテム型タイトルかなーみたいな。あ、化け物タイトルWoWは別格として、ですが。

でも、リンデンは恐らくライトユーザー向けアバターサービスなんかやるつもりはハナっからないわけで*6、そういうアバターサービスに食いついてくるような層への準備っていうのはたぶんあんまりない。砂場は用意してやった!後はてきとーに捏ねて遊べ!みたいな。
定住促進にはしがらみ発生なんですが、たぶんそのへんは先行プレイヤーに丸投げ。

要するに今のSLはMMORPGでいえばUO黎明期。ロビン時代(■404 Not Found)といってもいいですけれど。
自分の家の中でも余裕でPKに襲われるわ、仕様だかバグだかようわからんシステムで全財産かっぱがれることも稀によくある仕様ではあったUO黎明期(つうとロビン時代よりもうちょい前になるのか?)はムダに熱い時代として既に伝説化してますが、UOの場合は徐々にパッチを当てていって、一応チュートリアル作ったり、セキュアな銀行設置したり、家でのコマンドとかを追加して財産守れるようになったり、なによりもフェルッカ/トラメルの分割から、少なくともJPではPKできないエリア中心のタイトルに変っていき、そうなることでプレイヤーの裾野を広げたわけです。ちょっとどういう順序でナニを追加してったのか把握しきれてないですが。
個人的には旧仕様にまだ近いハードコアシャードの方が面白いと思うけど、ロビン時代仕様を自分でプレイする気にはあんまならない...家の中でもPKに怯えるとかなぁ。
まあギャリオットはロビン時代以前のUOがやりたかったわけで、彼としてははなはだ不本意な展開なんでしょうが、世界内で取れる行動の可能性が幅広いという意味で自由度高いということは、厨とかアレな人の跳梁跋扈により実際プレイした時の不自由度が上がりまくるという当然の帰結が前世紀にはまだよくわかってなかったんでそのへんは仕方ない。WoWが課金アカウント数750万とか腰が抜けそうなことになってるのは、ゲームとしてのおもしろさ、操作性、へぼ環境でもそこそこ動く性とかも含めてそのへんのバランスが非常に優れているというのはよく言われるところではあります。

んで、リンデンはSLをアバターサービス風に変えていくのか?といえば、今のところそれはやんない気がする。インタビューとか見ても、「自由度の高さ」をウリにしたいようだし。
それをやんないということは、ライト層は入ってこれないということであり、仮想いろいろ市場の消費者を一定量以上確保できないというわけであり、SL拡大にはおのずと限界が生じてしまうわけです。

というわけで、SLに参入を検討されている企業様、個人様につきましては、
「将来来るかもしれないメタバースでの広報なりマーケティング手法のスキル上げとして出店するのはアリ。でも、丸投げじゃなくて、ちゃんと人を置かないと意味ナイヨ」
Second Lifeで金稼ぎとかなにか結果出せると思うな。儲けられるのは代理店のみ」
と提言させていただきつつ、なにが言いたかったのか忘れていることに気づいたので、そろそろこのへんで〆。

*1:ブラウザでそれなり以上に操作可能になるとか、クライアントがOS標準で組み込まれるとか。要するにクライアントのインストールの必要性がなくなるつー

*2:「ゲーム」として真摯にやり込むにしても、純粋にゲームとして消費するのならば、いくら運営・開発が頑張ってもプレイ時間数百時間とかありえないという意味で。

*3:キャラクターはそれを操作してゲーム内世界に働き掛けるという部分が強いもの、アバターはそれよりも、他のプレイヤーとのコミュニケーションの媒体としての性質が強いものとエエ加減に区分け。

*4:Uchino鯖には「師匠」と呼ばれている不思議なモンクさんがいるんですが、Lv.75だったら、メインのジョブと合ったサポートジョブをLv.37にするのが大前提なんですが、いまだサポ戦のみで15...モンク以外はマジでやりたくないらしい。他に問題行動があった話とかは聞いたことないんですが、その一点で鯖内有名人になったりするわけです。

*5:違いはシステム的な問題もあるし、あとキャラデザとかでどういう層が食いついてくるかという中の人依存な面もあると思いますが

*6:それやろうとするなら、箱テロとか他人へのいやがらせとかをシステム的にめちゃめちゃ縛る必要あるわけだし。西海岸発想とは根本的に違う設計が要求されます。