仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

第三回研究会<a class="okeyword" href="g:onlinegames:keyword:リンク">リンク</a>と抵抗の快楽

24-Hour Survival
あわ。めもったノートを腐海にロストしているうちに、なにやらレポが出ていたらしく。

4Gamer.net 国際大学GLOCOM RGN第3回「コンピュータゲームにおけるプレイヤーという存在」
発表の内容的にはよーまとめてはるというか補完するとこないですが。
GameDeep : RGN#3
もいっちょまとめ。質疑応答までカバー。

あわててテクノラティでサルベージしてみる。

=会場にいらしたっぽい方のコメント=
2006-07-30 - Try to Star -星に挑め!
概要とコメント。
2006-07-29 - 森の路はずれ(避難所)
もっとプレイヤーとしての「体験」に根ざした論が欲しいというコメ。すいませんすいません、それ学術ディシプリンじゃ「まずやってはいけないこと」(暗黙だけど)なのですよ。
RGN#3感想 - GameDeep Ad-hoc
2006-08-02 - 森の路はずれ(避難所)
プレイヤーの自己の多元性というかぬるぐちょ性について。
RGN#3 - Cerebral secreta: 某科学史家の冒言録
コメンテーターの伊藤先生。

4gamer記事へのコメント(と思われるもののうち、そこはかとなく以上に内容へのコメントが書いてあるもの)=
2006-08-06 - 月鎌/Fの中のMの中のF
ゲームと公共性(反響……じゃなくて) - インタラクティヴ読書ノート別館の別館
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個人的な感想としては、

  • またヒルズで迷う。荒俣的にあそこなんかあんじゃねーの?みたいな。
  • エースコンバットのデモ。距離数メートル以上あったのに軽く3D酔い来そうだった...自分がゲーム研究に対してなしうる最大の貢献は3D酔い実験の被験者ではないかという思いを新たに。茂内さんの明快な解説で、語りの構造とか非常に面白いタイトルだというのはよくわかったのですが、余裕で最初のミッションクリアできる気はしないので子鹿ちゃんにやってもらうとしても脇から見てるだけでもヤバげだ。
  • 増田さん、素敵な方でした。お風邪引いていらしたそうでつらそうでしたが。
  • どこでタバコ吸ったらいいのかわからんので、1Fの自販機前で携帯灰皿持ち込みにしたけれど、良かったんだろうか。
  • コメンテーターの伊藤悠さんのゲームプレイ観がかなり面白かった。かなり脳内翻訳入ってますが、伊藤さん的にはアルゴリズムを読み解いてそれを逆手に取って「壊して」ひゃっほいかますというのがイイらしい。例として上げられていたガンパレードマーチってどういうゲームなんだろう。なんというかゲームそのものというより制作者との知恵比べなのかなーという印象。このあたり、推理小説読みでも「犯人を当てることに血道を上げる(「作家との知恵比べ」つーか)」タイプと、「犯人当てはそんなに必死じゃなくて、むしろ心地よくすかーんと背負い投げくらわされるのがスキなタイプ」が分かれると思いますがそげなかんじでええんかいの。

んで、もうちょっと学風味な感想。
発表のあとの質疑で、伊藤先生が増田さんの発表の「抵抗」という表現がひっかかると言うことを仰っていて、増田さんが「抵抗」という言葉に抵抗がないもんで...と仰って、会場(笑)だったりもしたのですが、これはぶっちゃけディシプリンの問題で、文系寄り社会学系の人間てカルスタとか読むのが当たり前で、そっちでは文化消費のかたちを論じる上で「抵抗」てのがキーワードになってるんすね。たとえばコレ。カルスタ本流はスチュアート・ホール以降なんで、カルスタそのものというより前史くらいの位置づけになってると思うんですが。

抵抗の快楽―ポピュラーカルチャーの記号論 (SEKAISHISO SEMINAR)

抵抗の快楽―ポピュラーカルチャーの記号論 (SEKAISHISO SEMINAR)


で、カルスタ読んでる人間には既に自明視されている便利キーワードだけれど、当然読んでない方には表現としても枠組としても強すぎちゃうねんかという印象になる。このへんのギャップは自分としても超自戒したいところ。

カルスタは10年くらい前に斜め読みしただけなので、超いいかげんですが、要するに「抵抗」てば発信側に想定された方向性とずらして遊んだりとか編集しなおしていじって遊ぶとか。これ、日本のサブカルでは山ほど事例はあって、たとえば同人とかモロそうですし、特にやおい→BL系列はもの凄くアグレッシブにオリジナルの作品を読み替えていく*1し、そこにジェンダー/セクシュアリティの問題も絡むし、もの凄いハマリ事例だと思うのですが、そのへん分析した論文とか超ありげだと思いつつ未見。
が、この「抵抗」概念て結構微妙なところがありまして、やおい→BLの例だと、初期はたしかに男子向けのジャンプ発コミックとかを作家やら出版社の想定外な読みでがすがすいじって遊んでいたと思うのですが、どっかの時点から(どこだかはそのへんやってるヤツと前世紀に縁がとぎれて不明)、そういう腐女子マーケットを織り込んだ作品作りというのが出てきてるんじゃないかなーと。ルサンチマンだだ漏れ(褒め言葉)のやおいから、ライトなBLへの転換点もこのへんあるんじゃないかとざっくりした印象で。というか、どこでそのへんの転換が起こったのかいまいちわからん。

それも丸飲みで消費しちゃえというのは一つのスタンスなんですが、それを論じる立場の者が「抵抗」をキーワードにコンシューマーの側がなにか凄いことしてるんだとか称揚しちゃうとやっぱそれってどうなのよ感が出てくる。つか、10年前の時点で某先輩が、日本のカルスタ野郎どもは「文化批評」的なところだけ持ってくるけれど、もとのカルスタが持ってる「社会批判」文脈が弱くて要するに趣味バナになっちゃってね?とか言ってたような。古い話なんでうるおぼえスギなんでてけとーです。気にしないでください。
なにはともあれ「抵抗」概念の使い方のあやうさをどこでマネジメントするかというと、結局フィールドであり「体験」しか出口ねえのかなあとも思いつつ、でも伊藤悠さんのようなプレイヤーもおり、私のようなぬるプレイヤーもおり、なわけで、どういう調査設計になるのか皆目見当がつきませんが。
個人的にはコアなゲーマー(プレイヤー圏/ゲーム公共圏(稲葉先生)に参入してくるような)ではなく、ふつーーーーの「ゲームで遊ぶ人」の中でゲームってどう動いているんだろうっていう方が気になる。普段、特にゲームはしないつーか年の購入本数が1.xくらいで、FF新作出たらまあやっとくか、くらいのスタンドアロンな層とか、ぶつ森ポケモン小学生とか。後者は子供相手なんでフィールド難しいですけれど、おもろくなりそう。

なんにしても増田さんの発表内容に関しては後日紀要論文として発表される予定ということで震えて待ちつつ。

*1:前にもどっかで言及したような気がしますが、小沢やおい同人誌が最高峰かと。当時の国内政治家の言動をちゃんとふまえてストーリー創ってたりしてやばかった。絵はどういうスペックの脳内フィルター通せばそうなったのかは謎に包まれていますが美麗青年です。