仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

リズムを共有する場としてのMMORPG

World of Warcraftにおけるパーティ戦の妙 - Cerebral secreta: 某科学史家の冒言録
WoWの戦闘について。タンク、ヒーラー、ヌーカーの役割分担が巧くかみ合ったパーティはおもろい、というコメント。

前世紀に読んだアルフレッド・シュッツ(社会学者。現象学的社会学というよくわからんものを創始。関係ないけど、死ぬ数ヶ月前のフッサールとのやりとりが凄い面白かったですが、あれどこに収録されてるかな...たしかアメリカ行ってからの論文が収録された3巻本のどっかの最後のへんにエッセイが入ってます。)で、結局独我論からどこで人間が引きずりだされるかというと、リズムを共有するという体験*1にあるんだっていう話をしてたと思うのですが(翻訳は「相互に波長を合わせる関係」だったかな...原語での表現は忘れました。mutual tuned relationshipとかそんな感じだった気がする)、このリズムを合わせるっていう体験は、なんつーか言語化しにくいのですが、コミュニケーションにおいて非常に大切です。
たとえば、顔を合わせる会話の中で「うなずき」とか「相づち」とかは、会話に参加してますよ、て聞き手が示すメソッドじゃあるんですが、もし相手がまったくうなずき、相づちナシで延々しゃべるって....ツラいですよね。リズム共有されてるのかされてないところで一方通行維持し続けるのは人間大変厳しいのです。あと、相づちが遅れ遅れだったりすると、聞いてないのね...(寂)と。

というわけで、ねとげも原則的にはコミュニケーション命のサービスですから、色々そのへん、そりゃ顔合わせる場に比べたら共有できるリソースははるかに少ないですけれど、工夫してあります。擬似的に「間合い」を互いに合わせていけるシステムといいますか。WoWで面白いって仰ってるのも、たぶん単純な戦略がどうこうじゃなくて、そのへん絡んでいるんじゃないかなーという感想をおぼろに。

FFXIの場合も、かなーりそのへんの工夫はあります。「連携」というシステムがありまして、攻撃が当たったら貯まる「TP」(なにポイントか忘れた。タクティクス?)が100越えたら、特殊技(ウェポンスキルだったっけ、まあWSと略称)が出せるんですが、特殊技に属性がついていて、特殊技を一定の待受け間隔に合わせて出していって、その属性をうまくつなげていくと、どかーんとボーナスが来る、と。ついでにそのボーナスが出る時に合わせて属性のあった魔法出すと、それもレジスト率大幅ダウンでどかんとくらわせることができる、と。
あと、特に忍者、ナイトなどのタンクジョブ、ヒーラーでありバッファーである白赤魔導士あたりは通常業務でもなかなかこう、パーティのリズムを巧く合わせていくことが必須になってます。モンクとかはマンガ読みながら出来るとか言われてますが(とほ)。黒とかの時は少なくとも自分は、前半座ってる→後半追い込みと回復補助、と無精してたりしたな...いや、パーティ全体のMP効率からいくとそれがだいたいの場合は最適解なんで。
ただFFXIの場合はルーティン化しまくってなんというかとほほ感が次第に募ってしまいました。レベル上げ嫌い人間の視点なので、れべらーげ大好きな人はたぶんFFXIのリズムが好きなんでしょう、と思いますが。

UOは私はまったく戦闘機能は捨てたキャラだったんでやってませんが、たぶんギルド戦とかになるとそれなりに臨機応変が求められそうですが...まあでもあれはそういうのはシステム的にはあんまりなかったかな。
PSOの場合は、なんだったっけ、ダメージ喰らうんだかなんだかでたまったなにかを放出する「フォトンブラスト」という技があって、それを重ねると一応ボーナスはついていましたが、FFXIのように特殊技連携がなかったらはなはだ敵を倒すのがダルいというほどでもなく、おまけくらいの感じでした。アホネタとかはやりやすかった気がしましたが。いるかちゃんとか鹿とか出て来てたし(うろおぼえ)

とかなんとか言ってるとFFXIまたやりたくなってくる今日このごろですが。もう恐らく知り合いいないのはツラい...ガルーダ鯖でレベル50くらいのへたれエル白かまってくれるLS急募!

*1:シュッツがそういう体験のコアな例として挙げていたのは、室内楽の合奏だったかなにかだったと思います。本人はピアノ相当巧くてモーツァルト好きだったようですが。自分は合奏やら合唱とかは高校卒業以来まったくやってないですが、確かにありゃハマればキマスな。ついでにいうと、たぶんこの議論は純粋持続とかあのへんの言語化しえない時間体験がどうこうという話につながっていくと思います。たしか。