仕事用のめもとか。

メディア等気になることを適当に。

広田照幸『教育言説の歴史社会学』

広田照幸『教育言説の歴史社会学』
http://ameblo.jp/hondana/entry-10004880304.html

著者の《教育学》に対する批判として、「教育」が政治や経済と切り離された独立した領域として見なされ研究されてきたことが挙げられる。構築主義の限界として、著者は「問題やカテゴリーの構築の「過程」を説明するものではあっても、当のそれが構築されていった「原因」を説明するうえでは決定的に弱い」(p.354)ということを指摘している。また、言説の変容をたどる研究では、言説以外の要因を分析に組み込みにくいので、「研究者が設定した研究対象の中に「原因」を探す」といった事態が起きやすいという。(例:相互作用場面を研究すると、「相互作用する諸主体によって問題やカテゴリーが(創発的に)構築されていった」という説明。ニュースの報道を研究対象にすると「マスメディアが<子供の状況>を定義し<問題>を構築していった」という説明など。)

このような限界を越えるために、著者は教育をマクロな視点から考察するべきだと主張している。言説の変容を辿るだけではなく、言説を社会編成の変化と組み合わせる分析が必要なのだ。

広田×教育学ってなんか見覚えが...と思ったら、少年法改正論議の時に統計資料出して「昔のガキの方が凶悪犯罪凄いんですけど。」と安易な「子どもがアブナイ論」に歯止めかけつつ、犯罪報道の心理学化に警鐘乱打されていた方のような気がしてきました。つうか、アマゾンの書評見る限りじゃそういう方ですね。

テクストへの愛に淫しがちな傾向強いので、自戒を込めて引用させていただきつつ。

教育言説の歴史社会学

教育言説の歴史社会学

メディア・データ,「月刊メディア・データ(一般雑誌レート&データ版)2005年6月特大号」,第37巻第6号,2005年.

メディア・データの書誌情報ってどうなるんだろ...いいのかこれで。